第10話ー�� ページ8
拓人side
なかば強引に病室につれていかれると女性たちが声をかけてきた
女「これから大変だろうからと思って私たちから色々と彼女に子育てについてお話させてもらったわ♪」
女2「私たち､たまたま全員今回2人目､3人目の子どもだから子育てについては詳しいほうだからね」
拓「え…と子育てについて？」
俺がきょとんとしてるとスカーレットが俺の手にカラカラとなるおもちゃとちいさい人形を渡して来た
ス「これさっきもらったんだ！」
拓「え！？わ､悪いですよ！こんなん！みなさんもこれからお子さんを産んで育てるのに…」
女3「あぁ､良いの！良いの！どうせうちは上の子のお下がり使うから！」
女「そうそう､私たちは大丈夫だから｡少しでもスカーレットちゃんの手助けが出来たらなぁって！」
拓「いや､ほんとにありがとうございます！」
女「あ､お礼ならこっちに！」
指をさした方を見ると明らかに疲れはてている男性が3人いた汗
女2「ほら､うちらこんなんだから買いに行けないから」
「ねぇー♪」なんて言いながら顔を見合せ笑いあう女性たちに対し男性たちはいっせいにためいきをついていた汗
拓「すいません！ほんとにありがとうございます！」
おもちゃやぬいぐるみ以外にも赤ちゃん用の服やオムツなど大体のものを揃えてくれたようだ｡
正直ほんとに助かった…俺には子育てなんてなんにもわからないから…
ス「ねぇねぇ！拓人！」
拓「ん？どうした？」
ス「ちょっと早いかもだけどさ､赤ちゃんの名前一緒に考えて♪」
拓「え！？」
ス「ん？なぁに？」
拓「…い､いや…お前ちょっと早すぎじゃないか？まだ3ヶ月だぜ？」
ス「名前考えるくらいいいじゃん！」笑
「どんなのがいいかなぁ？」と指折り数えながら考えているスカーレットを俺は唖然と見ていた
ほんの少し前まで"殺してほしい"とか言ってたやつがこんなにも変わるものなのか…
そのあともスカーレットはどんどん出産が近づくにつれ前向きになった｡そのうち一緒の病室に入院していた方々が無事出産し､退院していった…
そしてついにスカーレットは妊娠予定日が来週に決まった｡そんなとき事件は起きた
いつも通り仕事終わりに病室に行きスカーレットが今日も異常なく元気なことを確かめ家に帰り寝ていた
電話が静かな部屋に鳴り響いた
その電話は病院からで内容を聞いて俺は受話器を落としてしまった…
―スカーレットさんが居なくなりました―
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作者名：孔丞さくラ | 作成日時：2020年2月18日 10時
