激推ししてます、太宰さん！3 (ページ42)

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太宰さんとお泊まり。ページ42

今夜うちに泊まるよね、と圧をかけられたが、今日は遠慮しておいた。服も持って来ていないから、と。なら持ってくれば良いじゃない、と言われてしまった。

太「…大丈夫。いきなりとって食ったりしないよ。」

では、お風呂に入って着替えたら戻ってこよう。ご飯は一緒に食べる、と告げると、寝るのも一緒？なんて子供の様に聞いてくる太宰さんにキュンとしてしまう。
更に、頷くと嬉しそうに頬を綻ばせた。

ドライヤーで髪を乾かしながら首の傷を鏡越しに見る。シャンプーが染みて痛かった。
ドライヤーを終えて、かちゃかちゃと片付けながら毛先を触った。

『うーん…アイロンもしていこうかな。』

なんだかすごく…心がふわふわと風船の様に浮かぶ。

『なんだこれ…』

騒がしい心臓を抑えていると、電子音が鳴った。近くに置いてあったスマートフォンを見ると、「中原中也」と記されていた。それを手にとり、0619を打ち込む。メールの画面を表示すると「怪我してないか。」と一言。
…してます。でもきっと中也さんの方がダメージは大きいはず。「中也さんこそ大丈夫ですか。」と送り、電源を落とす。

ピンポーンと軽い音がなる。

太「はーい」

鍵の開く音がして、太宰さんが出てくる。

『お待たせしました。』

太「早く入って。体が冷えてしまう。」

部屋に招き入れられた。かちゃんと鍵の閉まる音が後ろに聞こえる。

太「晩ご飯、簡単なものだけど。」

ローテーブルを見ると炒飯が二人分。

『食べて良いんですか？』

太「もちろん」

二人でゆっくり夕食を楽しんだ。太宰さんは日本酒を飲んでいたけれど、私には一切触れさせなかった。別に好きでもないので良いのだが。

食べ終えた後、腹部に湿布を貼ってもらったり手当をしてもらった。しなくても良いといったのだが、女性の体に傷が残っては困る、と言って聞いてもらえなかった。加えて、太宰さんの手当ても行ったのだが、体の包帯は外してもらえなかったので見える範囲だけ。