あの、中也さん。 ページ15
少しずつ離れていく中也さんの背を見て、「ポートマフィアと探偵社じゃ一緒にいたら揃って内通していると疑われる。」という言葉が浮かぶ。
もう二度と会えない?
そんな重い話ではない?
敵組織なのだから会えないのが普通?
二度と会えないとしたら私はどう思う?
『あの』
中「あ?どうした?」
『いや…』
中也さんは振り返って私の次の言葉を待っている。
何故彼を止めたんだ私は…。
『えっと…』
私が俯いて口籠もっていると中也さんはこちらに戻ってきた。
中「どうした?」
頭にぽんと手を置きながら顔を覗き込まれる。
『なんでもないんですけど…』
中「けど?」
『二度と会えないような気がして…』
少し俯いたまま、目線だけを中也さんに向ける。ブルーの瞳はぱっちりと輝き、少年のような顔でこちらを見ていた。
中「一緒にいたい、って事か?」
そう言って笑う彼は悪戯っ子のよう。
『ちが…
…くはないのかな…?』
中「…お前は何も考えてないんだろうな。天然たらしめ。」
ツンっとおでこを押される。柔らかく笑った後、あんまり遅いと探偵社の皆が迎えに来てしまうから、と言って背を向けられてしまった。途中で何か思い出したように此方を振り向き、「メールするから、次は太宰に取られないよう自室で返してくれ。」と。
__たしかに。
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時