激推ししてます、太宰さん！3 (ページ10)

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太宰さんのせいです。ページ10

ほら、と私にそれを突き出す中也さん。
彼にゆっくり近く。太宰さんは「中也は君には手を出せないから」と言っていたが、警戒はする。

中「そんな怖がんなよ。俺らの仲だろ？」

与「アンタ、Aとどういう関係なんだい？Aの事、脅してたりしないだろうね。」

私は中也さんから写真を受け取る。確かに裏側に色々書かれている。

中「友達だよなあ？…メール、見たぜ？「蛞蝓」ってなあ。」

やばい、この殺気。殺され…？
写真からばっと顔を上げる。ぽん、と頭に手を置かれる。私、重力で埋まる？なんて考え、覚悟を決めて体に力を入れてぎゅっと目を瞑る。

与「A！」

後ろで与謝野女医が鉈を振り上げて構えた音がする。

中「彼奴の仕業、だろ？」

与謝野女医達には聞こえない程度の小さな声で彼は言う。目を開けてみると、優しい表情。

中「俺が待ってたのは彼奴からのじゃなくて、お前からのメールなんだけどな。」

与「Aから離れな。組合の件、唆られるが、もっといい案があるよ。

…アンタの手足を削ぎ落としてから何を企んでるか吐かせるってのはどうだい。ついでにAとの事もね。」

中「そりゃ凄え名案だ。やってみろよ。」

与「賢治！」

賢「はーい」

とん、と中也さんに肩を押される。慌てて彼から距離をとると、私も異能を呼び出す。
と同時に、賢治くんが線路を持ち上げた。中也さんは驚いた顔を見せたが、楽しげに、そして恐怖を植え付ける笑みを見せた。

中「やっぱり伝言人は性に合わねえ。
仕事はこうじゃねえとなあ。」

賢「気をつけてくださーい」

ドゴンッと凄まじい音を立てて線路がトンネルの壁面に叩きつけられる。パラパラとコンクリートが剥がれる。こんなの中ったら体粉々だよ…中也さんは賢治くんの持っていた線路の上に立っている。
賢治くんが感嘆の声を上げると、中也さんは少しだけ嬉しそうに笑った。
そして壁に刺さった線路の上を走り、賢治くんとの間合いを詰める。そのまま蹴りが入る。賢治くんは受け身は取っていたが、吹き飛ばされて壁にぶつかった背中が痛そう。
着地した中也さんの後ろで与謝野女医が鉈を振り下ろす。
中也さんは飛び上がった。
いや、天井に立った。

立った？