太宰さんが言った。 ページ11
その様子を探偵社は呆然と見つめる。
与「その異能…「重力遣い」の中原中也だね」
中「ち…太宰の兵六玉が喋ったか。」
いいから降りて来い、と激怒する与謝野女医に、何故かキラキラした目で見つめる賢治くん。
私も何かしないとポートマフィアの仲間だとかスパイだと思われるのでは…!?
慌てて二丁銃を取り出す。一丁は異能生命体の理久に待たせる。標準を定め、中也さんの足を撃つ。ぱあんと音を立てて弾は飛んだ。
『あ、あれ?』
弾は中也さんの横を通り過ぎた。
中「お、おいおい。いきなり銃撃戦に持ち込むのかあ?
しかもお前、芥川に聞いてはいたが、下手だな。」
『はあ?』
続けて天井に二発撃ち込む。一発目は舞うように後ろに逃げられた。理久にも中也さんの足元を打たせる。その直後に撃った二発目は後ろに下がる所を想定して撃った。中った。はずだった。
弾が中也さんの掌によって止められている。
中「今のはいいじゃねえか。だが、太宰を的にしてもっと練習しろ?」
ピュン、と何かが私の髪を切った。少しだけ短くなった横髪。
中「あ。悪い…切るつもりは無かった…怪我は…」
短くなった髪を耳にかけて銃を構える。
中「…」
__何故これ程私の事を気に掛けるのだろう。
私は探偵社員。中也さんはポートマフィア。そこは忘れてはいけない。無言で銃を構え続ける。彼はくるりと与謝野女医の方に体を向ける。
中「俺の名を出して、しかもAを出して来るって事は、太宰は其程警戒してんだろうな。
それは期待に答えねえとなあ。」
中也さんはフッと天井から足を離した。そして擬音で表す事の出来ない程の音と振動を起こして私達の立つ地に足をつけた。轟音に思わず目を瞑ってしまった。目を開くと、中也さんの真下はポートマフィアに捕われていた時に見たようなコンクリートのひび割れがあった。降りる時に重力を下にかけたのだ。
中「さあ、「重力」と戦いたいのは何奴だ?」
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時