褒める太宰さん。 ページ22
太「最後にここ。」
本当にゾンビ映画のように襲いかかってくる街の人達を避けたり、理久が気絶させながら、全てのチャフを起き終えた。ぽん、と最後の一つを置く。すると、ドオンと大きな爆発音がする。更に熱い爆風がかかる。
太「あそこだ。」
爆発元は近い。見知った白髪を見つけた。心臓の音がうるさい。
『敦くん!?』
爆発に巻き込まれたせいか大量の血を流す敦くんが倒れ、ボロボロの人形に手を伸ばしていた。
太「君の勝ちだよ、敦くん。」
太宰さんは敦くんの前に膝をつく。私も敦くんに駆け寄る。
敦「太宰さん…!?Aさん!?」
太「君の魂が勝った。これで街は大丈夫だよ。」
敦「危険です、空からの敵の銃撃が!」
太「どうかな?」
太宰さんがどこからかリモコンのようなものを取り出した。それの中心に一つだけある大きなボタンをピッと押す。
すると周囲からぷしゅううう、と煙が吹き出す。飽和チャフが作動した。
太宰さんがボロボロの人形に触れると、煙に溶け込むようにそれは姿を消した。つまりこれは
『異能力…
…か、触っただけで崩れるくらい脆い人形…相当古いもの…?』
太「うーん、想像力が豊かだ!異能力だよ!」
敦「…」
太宰さんと二人で敦くんに肩を貸し、地下鉄の通路に入った。
敦「如何して此処が?」
太「敦くんが降ってくる方角をずっと探して居たからね。
よくやったよ、敦くん。これでもう横浜は安全だ。…と言えれば良かったのだけど。」
太宰さんはふう、とため息をついた。敦くんも私も、これ以上何か問題があるのか?と疑問を浮かべている。
太「Qが敵の手にある限り、連中は何度でもこの大破壊を起こせる。
唯一対抗可能な協力者である異能特務課も活動凍結された。これ以上は…」
敦「太宰さん。
昔読んだ古い本にありました。
「昔、私は、自分のした事について後悔した事はなかった。しなかった事についてのみ、何時も後悔を感じていた。」
それにこうもありました。
「頭は間違う事があっても、血は間違わない。」
…空の上で僕はある発想を得たんです。皆からすれば論外な発想かもしれない。でも僕にはそれが僕の血と魂が示す、唯一の正解に思えてならないんです。」
太「どんな発想だい?」
私はゴクリと喉に溜まった唾を飲み込む。
敦「協力者です。
彼らは横浜で最も強く、誰よりこの街を守りたがっています。組合と戦う協力者としてこれ以上の組織はありません。
その組織の名は
ポートマフィアです。」
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時