激推ししてます、太宰さん！

太宰さんのまつ毛。 ページ7

太｢現身に飢獣を降ろす月下の能力者…｣


ギラりと虎さんの目が月光を反射し輝いた瞬間、太宰さんに手を引っ張られると同時に腰を抱えられる。


『！？！？だざ』


大きな牙を見せ、大きな声を出し、大きな音を立てて襲いかかる虎さん。


太｢こりゃすごい力だ。人の首くらい簡単に圧し折れる。｣


太宰さんに腰を抱えられ、後ろに引っ張られました。
私は今太宰さんの腕の中です。
トンと太宰さんの踵が壁にぶつかり、壁に追い詰められた事を悟りました。


＿＿私は、今、太宰さんの、腕の中。頭を囲むように抱き寄せられています。太宰さんの、香り、甘い…。


太｢おっと。｣


ザリザリと音を立ててにじみ寄る虎さん。
＿＿太宰さんの右腕、意外としっかりしていますね。


太｢獣に喰い殺される最後というのもなかなか悪くないが｣


＿＿太宰さんの声が耳元で聞こえます。いい声です…。


太｢君では私を殺せない。｣


＿＿んんんんっ！？！？



太｢私の能力はあらゆる他の能力を触れただけで無効化する。｣


太宰さんの左手によって、ザザザと敦くんが虎から人間に戻るのが目の前で見えた。



＿＿君では私を殺せない…太宰さんの声は私を殺せます…



敦くんの体がふらりと揺らぎ、太宰さんの左肩へ吸い込まれる。


太｢…｣

『…太宰さん』

太｢男と抱き合う趣味はない。｣



太宰さんの顔を下から見上げていると、敦くんの体を離し、敦くんはビタンと重力によって地面に叩きつけられてしまいました。





＿＿太宰さんのまつ毛、長い…。

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