2187話 ページ10
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「よし、完了」
沖田「どーも」
完全に乾いてサラッサラになった綺麗な髪の毛。触り心地が良くて自然と手を伸ばし撫でると、手首を握られる。理由がわからず固まれば身体ごと振り返り顔を近付けて、コツンと額を合わせた。
沖田「不覚にも、傍に居て欲しいって思っちまいやした」
こんなにも近い距離でそんなことを言われ、ときめく自分がいたのが嫌でもわかる。逸らしたいのに真っ直ぐな視線に戸惑って逸らせない目が、誤魔化す為にまばたきを繰り返していた。
流れる沈黙のせいで緊張感が高まる。手首を握っている沖田の手の力が少しだけ強くなったのと同時に、どんどんと縮まる距離が私を焦らせた。
鼻が触れ合い、慌てて俯く。すると、空いていた右手で顎を持ち唇をそっと重ねた。強引なのに優しいそれに焦りは頂点に達して離れると、素直に受け止めて「すいやせん」と謝った。
「・・・私も、沖田の傍に居たいよ」
沖田「・・・」
「・・・・・・・・・さ、早めに寝とかないと明日起きれなくなるよ」
熱くなった頬がバレないように顔を隠してドライヤーを持つ。黙っている沖田をチラリと横目で見ると、不機嫌そうに口を尖らせて目線を下に向けて「そ、ですねィ。寝やす」と立ち上がった。
部屋には雨音だけが虚しく響いていた。
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堕天使(プロフ) - 鴉魔無さん» うわぁありがとうございます……そう言っていただけると本当にやる気が出ます!私も梨汁がブシャーと溢れそうだったので飲み干しました。頑張ります!!! (2017年8月1日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
鴉魔無(プロフ) - シリアスな場面読んで感動で目からネギ汁が大量に出てきました。更新頑張ってください! (2017年8月1日 15時) (レス) id: 34819cddd4 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - タピオカ野郎さん» かっこつけすぎて寒いかなぁとか思ってたのでそう言ってもらえて嬉しいです安心しました笑 ありがとうございます!!頑張ります!! (2017年6月14日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 伶花さん» 本当ですか!?ありがとうございます!頑張ります……!!! (2017年6月14日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - *カルマ*さん» ありがとうございます!子供の名前をりこに決めた時、絶対設定している名前とかぶる人いるだろうなぁと思ってました笑 すみません笑 頑張ります!!! (2017年6月14日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2017年5月26日 18時