【銀魂3z】その夜に愛はなく【坂田銀八】

相当怒り心頭 ページ2

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私、AA！銀魂高校に通う、十八歳！特技は相手の嫌なところを一瞬で見つけてそこを中心にコテンパンにすることで、趣味は寝ることと言うやつがこの世で最も嫌いだという論文を書くのが趣味の、ピッチピチな女子高校生！

──……とまあ、だいぶ古いタイプの少女漫画のありがちな冒頭に則って自己紹介をしてみたわけだが、実は今の私にそんな時間は残されていない。


寝坊からの遅刻という流れは完全にそれと沿っているものの、食パンを咥えて地面を駆けるだなんてそんな不衛生なことをしようとは思わず、口にありったけ詰め込んできたスニッ〇ーズでやや喉を溺れさせながらゆっくりと自転車を漕いでいた。ダメだコレ、何だコレ、否が応でも鼻呼吸を強いられるぞ。決めた。もう一生食わねえ。


つい一昨日に入学したと思ったら、夏とのお別れはこれで三度目である。死んでも手放すもんかとギリギリまで足掻いたが、時間は刻々と過ぎてゆくもので。兎にも角にもそんなこんなで、晴れて二学期初日は足パンパン記念日と化してしまったのである。

それを祝福するかのように鳴り響いたのは、スマホのアラーム。この世で最も利便性が高いが、この世で最も人間を苛立たせる機能との呼び声も高いスヌーズ機能が自信満々に立ち上がったようだ。思わず端末ごとぶん投げたくなったけれど、冷静さを取り戻し。「次また喚いたらただじゃおかねェ」と謎の喧嘩を格安で売って、主にふくらはぎと太もも辺りに拍車をかけることにした。





「(……ヤバい、クシャミ出そう)」





一難去ってまた一難とはまさにこのことで、スヌーズの乱の次はスニ〇カーズの変(第二部)が私を襲う。しかもス〇ッカーズの野郎は人間が簡単に抗うことの出来ない生理現象を丸め込んでいて、不本意ながら世界一汚いギネス世界大会(非公認)と巷で噂の、咀嚼済みナッツ飛ばし選手権が始まろうとしてしまっているのだ。

……今日のかに座の運勢、普通に最下位を通り越して七十一位とかだろ。それを占った占い師、死ぬまでかにを食うんじゃねーぞ。カニカマも許さねえかんな。ゴキブリの羽でもしゃぶっとけ！





「(ええい占い師め、末代まで呪ってやる!!)」





ブァックショイッ！そんな下劣な音は、奇しくもチャイムと重なった。





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