【銀魂】春時雨の降る夜【坂田銀時】

とばっちり芸能人 ページ41

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「素直になってくださいよぅ、」と万事屋さんを嫌味ったらしく茶化してみるが、今すぐにでも木刀を抜いて飛びかかってきそうな危うさを感じられてきたので、言おうとしていた続きの言葉を強引に呑み込んで引き留めた。彼にとってその行為は、反論を述べる術がただ口か武力かの話でしかないので、あまり怒らせてはならないのである。





「ま、要するにです。五年程度はこちらに顔を出せなくなるので、必然的に万事屋さんと会うことは難しくなります」

「おーそうか、そりゃこっちにしてみりゃ願ったり叶ったりだな」

「またまたぁ。そうやって意地を張ったりなんかして、意地晴(いじはる)にでも改名するおつもりですか？確かに同じような目はしてますけど」

「どこが同じ？俺があんなどんな場所にでも溶け込めそうな幸薄い目してるわけねーだろ!!」

「いやあ、似たようなもんです」

「だからどこがァ!?」





私のふわふわな柔らかい頬を綿あめをちぎるようにして親指と人差し指で巧みにつまむと、引っ張ってはいけない方向にどんどんと持って行かれ、数多ある痛覚が徐々に麻痺した。詫びる際の感情など何一つこもっていない平謝りをして抗えば、指の感覚が残ったままの頬が解放感に平伏す。


寂しくないと遠回しに言われたのには多少なりとも腹が立ってしまったけれども、精神年齢が十四歳で止まっていそうな彼のことなので、私は静かに察した。





「頑張ってこいの一言でも言えないモンですかねえ、全く。何かないです？もっとこう……エール的なやつ」

「腹出して寝んなよ」

「私は五歳児か何かですか。…………まあ良いです。取り敢えず会えないことを知って今にも泣きだしそうな万事屋さんに、とっておきの朗報です！」

「一体どこ調べなんだよその前文は」





相変わらず息をするよりもまず文句の彼に呆れつつも、朗報でしかないであろう情報を伝えるべく真っ直ぐと目を見つめてみる。まるで面倒事に無理矢理付き合わされているかのようなテンションでいるのは気に食わないが、不器用な彼なりの照れ隠しだと信じよう。





「最後の依頼を、受けてください」





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