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「た、頼み過ぎじゃァ無いですかね」
「勝負に負けた奴に人権なんざ無ェんでさァ」
「そもそも発案者はお前だしな」
「美味しく頂くよ」
「本当に足りなかったら俺も出すから、ね」
「なんかそろそろ縁を切るのも良いような気がしてきた」
死亡フラグという言葉が死亡フラグになってしまうという、誰もが予想していたであろう無残な結末を迎えた今回の勝負で、私は本格的に彼らと縁を切ることを考え始めた。遠慮の二文字を知らない赤子のようにじゃんじゃん注文をしやがるので、せめてペース配分を見直すなどして、ファミレス側の気持ちを汲み取ってあげなさいと注意したくなる。
いつだって変わらないこの関係性。
良くも悪くも、発展も成長もないこれに、少なからず居心地の良さを感じているのは否めないものの、何もここまでこだわるまでの大事な縁でもない。
結果としてこうなってしまっただけの、これなのだから。
「この際だから言わせてもらいますけど、そもそも君達が補習から逃げなければバッティングセンターで憂さ晴らしとかいう女子高校生らしからぬストレス発散も、しなくて済んだワケじゃないですか」
「愚痴は飯を不味くするってのを学習しやがれ雌豚」
「こればかりは総悟の言う通りだ。A、良い加減機嫌直せ。ほらよ、マヨ」
「要らねーんだよなあマヨは!!分からないかなあ!!」
「終わったことをグチグチと、これだから女はメンドクセェ」
「勝手に終わらせんなバカ!!」
過去に二度程、異性の幼馴染を羨ましがられた経験がある。だが私は声を大にして言いたい。ろくなことがないぞ、と。
同じ高校に進学することを選択してしまった時点で、私の負けと言えばそれまでなのだけれど、学力的に選択肢が存在しなかったというのも大きな原因である。
まあそれなりにエンジョイ出来ればそれで良いかなあ、なんて甘い考えが今回の事態を招いたのだ。
「まあまあ、落ち着け三人共。打ち上げなんだ、パーッと明るく行こう」
「男子高校生四人分の食事代を払う女子高校生がどうやってパーッと明るくしろと!?そうやって纏めようとして結果的にごちゃっとさせるのは近藤、お前の悪い癖だ!!」
「あれ、俺叱られてる」
「くそう、私の頭があと少しだけ良ければなァ!!少しだけ良ければ、こんな奴らに無駄な金払うことも無かったってのに!!」
「じゃあテスト勉強すりゃ良かっただろ」
「嫌に決まってんだろ!!」
「なら諦めろ!!」
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なゆなゆ(プロフ) - リクエストです。もうすぐ誕生日なので辰馬で作って欲しいです! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 299a5e5ef0 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» 草。 (2018年7月14日 9時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - おとさん» 泣いた (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - シャープ♯さん» いえいえこちらこそリクエストありがとうございました!またいつでもお待ちしているので、気軽にどうぞ!!そして、お誕生日おめでとうございます(いつか知らない)幸せな毎日を遅れることを祈っております! (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» そしてすき。大好き。愛してる。 (2018年7月13日 20時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年6月20日 16時