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「っだァア!!コラァア!!」





時も、場所も変わって、私は憂さ晴らし目的でバッティングセンターへと足を運んでいた。明日の我が身を心配する程の余裕は残されていない為、考えるのをやめた結果がこれだ。ストレスを何かに乗せて解き放ちたい気分なので、此処はもってこい。



のこのこと誘いに乗るとも思えなかったのだが、一人では何だかんだで寂しいので、風紀委員の人間数名を呼んだ。まあ、数時間前に私を裏切った人間なので、もしも来たら、それはもうボールになってもらうか、バットになってもらうかしかない。

先程から一本もヒットしていないのだけれども、気合いだけは一人前。再び構えると、ネットの向こうから背中へ「よ」なんて声をぶつけてきた奴が居た。……まさか、とゆっくりと後ろを向けば、ボールがふくらはぎに命中する。





「ダッサ」

「喧しいわ!!」

「言われてやすよ、近藤さん」

「お前だわ!!割と主にお前だわ!!」

「お前のおかげで落語独演会に遅刻せずに済んだぜ、感謝してやらァ」

「もう心から死んで欲しい!!」



こんな奴のせいで私は黒板消しを頭に投げ付けられ、ふくらはぎに野球ボールが命中することになってしまったのだ。人生何が起きるか分からないとは言うけれど、流石にどんな占い師でも予測出来ない運の悪さが集結した一日だと思う。

自動販売機で購入したと思われる缶ジュースを腕いっぱいに抱えて、走り寄ってくる山崎に「コーラはあるんだろうな?」と八つ当たりをすれば、土方と近藤はそれを無視して私が望んでいる物を取っていく。





「おい、おいおい、君達?」

「乾杯!改めてテストお疲れさん!」

「乾杯」

「かんぱあい」

「か、乾杯……」





残された熱々のブラックコーヒーをわざわざ渡してくれた沖田は、ドス黒い笑みでカコンと缶をぶつけてきた。どうしてこんな暑い日に、こんなものを。


必死に怒りを抑えるついでに少し補足をすると、私とこいつらは小学校からの幼馴染だ。何度かクラスがバラバラになった年も、少なからずあったと記憶している。だがしかし、どういう訳か住処も近く、朝と夕方に目指す場所が酷く残念なことに似通った位置関係な為に、暇さえあれば遊ぶのを躊躇わなくなった。そうやって十年ほど、生きてきたのである。



「選択肢にブラックコーヒー含めるってどういう神経?」

「そーいやお前、飲めなかったなブラック」

「交換して土方クン」

「あー美味ェ」

「揃いも揃って……!!」



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なゆなゆ(プロフ) - リクエストです。もうすぐ誕生日なので辰馬で作って欲しいです! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 299a5e5ef0 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» 草。 (2018年7月14日 9時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - おとさん» 泣いた (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - シャープ♯さん» いえいえこちらこそリクエストありがとうございました!またいつでもお待ちしているので、気軽にどうぞ!!そして、お誕生日おめでとうございます(いつか知らない)幸せな毎日を遅れることを祈っております! (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» そしてすき。大好き。愛してる。 (2018年7月13日 20時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年6月20日 16時

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