【銀魂】電波を飛ばさずWi-Fiを飛ばせ【坂田銀時】

４２．インスタ映え ページ42

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☆ 近藤side ☆



「じゃあ追いかけたけど結局そのゴリラさんは見つからなかったのね」

「姉上、ゴリアスさんです」

「定春のスピードで追いつけないなんて、どう考えても可笑しいアル！やっぱりアイツは瞬間移動を得意とするUMAネ！！」

「本当にUMAだったら凄い発見よね、私も会ってみたいわゴリラさん」

「姉上、ゴリアスさんです」

「呼びましたかお妙さんんん！！」

「テメェはただのモノホンゴリラだろーがァアアア！！」



トシと山崎が探してる女の子の話題だなんて露知らず、世界中の悪からお妙さんをお守りする為に、押し入れで身を潜めていた俺だったが、彼女の口から「ゴリラに会いたい」という言葉が出た瞬間に慌てて飛び出した。

だが、すぐに蹴られて身体は外へ。俺はこれを、斬新な照れ隠しと呼んでいる。今の時代、斬新さを狙うのは良い事だ。何事もインスタ映えなのだ。あらゆる斬新さを研究し尽くしたものが、人気を手にする。

まあ、お妙さんは何をしなくてもインスタ映えする容姿と魅力をお持ちだ。これを機に俺もインスタとやらを初めて、自撮り棒とか言う物でツーショットを撮影してみようか。

鼻から血を垂らしながら、インスタ女王とインスタ王になる未来を想像していると、懐にしまっておいた携帯電話がブルブルと震えた。

慌てて手で血を拭い、耳元へ持って行く。するととある隊士の俺を呼ぶ声が聞こえてきた。その声色は焦りに満ちていて「どうした！？」とそれが伝染したように返事をする。
内容は、ターミナルに爆弾を設置したという犯人からの連絡が入ったという報告。急いで立ち上がり「また来ますお妙さん！！」と手を振った。

全速力で走っている背中に「一生来んじゃねェ！！」と怒りの太い矢が突き刺さったが、俺は斬新過ぎる照れ隠しだと解釈をしたのだった。


やっとの思いで到着したターミナル。続々と集まる隊士達にザワザワとし始める人々。きっと爆弾予告は真選組である俺達にしか教えられていないのだろう。



「人々を避難させた事が確認出来次第、即爆破か」

「はい、要求も特に無い事から俺達を弄んでいるようにも思えます。真選組が爆弾を見つけ、処理出来れば勝ち、一時間以内に見つけられなかったら爆発させる、との事です」

「至急見回り中の隊士を全員集めて、捜索に当たるぞ」

「はい！！」



犯人の思い通りになんかさせてたまるか。
絶対に阻止してやる、と決意を固めて、俺もターミナルへと足を踏み入れた。



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