25.そうだ、お家、行こう。 ページ25
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☆ 近藤side ☆
最後までゴリラ伯爵だと言って譲らなかったスク水の女の子だが「しょっぴかれたくなかったら今すぐ消えろ」とトシに言われて「侵略軍に捕まるのはマズいか」と何かに納得したように姿を消した。
・・・・・・とは言っても、近くにあったシーソーに乗っかって一人で遊び始める小さな背中は視界に入っている。本当に不思議な子だ。
人質にされた女の子達に事情を説明してもらい、事件は着々と終わりに近付いていった。そんな中、屯所ではあの不思議少女の話題で持ち切り。
「明らかに未成年だよなあ、絶対に親が心配してるよ」
「でも身元も分からねェんだろ?」
「あァ、山崎に聞いたが一切掴めねェらしいぜ」
廊下を歩きながら隊士がしていた会話を、自室で耳に入れる。そして向かい側に座っていたトシに「捜索願を出されてたんだよな」と言葉を投げた。
すると、灰皿に煙草を押し付けて火を消し頷く。
「名前も年齢も全て偽造。ただ写真に映ってる女と顔が瓜二つなんだよ」
「その写真、見せてくれるか」
そう言うと懐から写真を取り出し渡してくれた。
女の子らしい笑顔でブランコに立ち乗りしている所が映っていた。薄汚れたワンピースのような物を着て、裸足。目線がこちらに向けられていない事から、若干隠し撮りのようにも思える。撮られた時期は最近だろう。
捜索願が出されたのは三週間前程だ。
「捜索願を出した人から特定するってのは?」
「もうやった。ただ素性は一切分からなかった」
「困ったなあ・・・・・・」
「まあ、表立って変な事さえしてくれなきゃ、こっちに害は無ェ。捜索願は出されてるが、こんなに何も掴めなかったら出来る事だって少ねェだろうよ」
今回はたまたま事件に巻き込まれてただけで、と言うトシの意見も確かに正しい。電話番号や住所まで偽られてしまっては、お嬢さんが見つかったという報告すら出来ないのだから。
渋々納得して熱いお茶を啜る。もし今度再び出会う事があったら、さり気なく話でも聞いてみよう。そう決めて、一仕事終えた達成感に浸った。
目線を下ろして写真に向けると、その顔がお妙さんに見えてくる。あ、お妙さんに会いたい。
本能には逆らえないのが人間というもの。俺が今一番欲しているのはお妙さんの笑顔だ。そうだ、お家、行こう。
「おいどこ行く気だ」
「ちょっとお妙さんを京都旅行へ誘いに」
「何で学習しねェかなこの人は・・・・・・」
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堕天使(プロフ) - 涼羅@今までありがとうございました。さん» ご指摘ありがとうございます!調べたところいくつかあるようですね!漢字は難しい……!カタカナとして直しておきます!!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!!時間がある時にでもまったり読んでやってください!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
涼羅@今までありがとうございました。(プロフ) - 1話のこたつっていう字、違いますよ。炬燵ってなってますけど、火燵ですよ☆ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 74cb15c92b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - いいですね新作!とても面白そう!読ませていただきます!!! (2017年10月11日 21時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 乱スナイプさん» ありがとう!!2巻も3巻も近々出す予定なんで、是非見てね!!笑 超頑張る横浜ランドマークタワー!! (2017年10月11日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2017年10月11日 17時