21.ジャグリング ページ21
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☆ 沖田side ☆
安っぽい深夜ドラマか、とツッコんでしまうような聞き飽きた台詞にも真剣に答える近藤さんは流石だと思う。
遠い席で冷めた目で見ていても俺は、焦りを感じていない。ノンフィクションなのだが、何せ冒頭で深夜ドラマの話をしてしまったから、フィクションのように思えてくるのだ。
「そっちの要求は何だ?」
「七億を用意しろ」
「七億だと!?」
いや、銀行でやれよ。金の要求は銀行でやるだろうよ、大体。
心の中の俺はかなりお喋りでツッコミ属性らしい。でも間違った事は言っていない気がする。公園でする意味が分からないのだから。
衰弱しているようにも見える人質の女七人。そういや三日前くらいから起きていた事件なので、何も与えられていないのだとしたら相当ピンチかも知れない。
手っ取り早い方法は、要求など飲まずに特攻するという一番単純で難易度の高いものだ。この野次馬の数だと流れ弾に当たって怪我人が出る可能性がある。だからきっと近藤さんは首を縦には振らない。
だからと言って七億なんて大金は用意出来ない。
「七億を用意し、目の前に一億ずつ俺達に見えるよう置け。そうしたら一人ずつ解放してやる」
「・・・・・・あれ、何ここ」
「あ!?喋んじゃねェ!!」
詳しい説明を犯人グループのリーダーと思しき人物が、口を開いた人質に怒号を浴びせる。命知らずの馬鹿の顔を拝もうと覗けば、『変態』と書かれたTシャツを来た女だった。よく見ると下にはスク水を着用している。
「あ!アイツ何やってんだあんな所で」
「土方さん、知ってんですかあの変態」
「知ってるも何もテメェがこの前連れてきた変人だよ!覚えてねェのか?」
「えぇ、全く」
「・・・・・・ったく、困った奴だな」
話によれば俺が捕まえた変人女だとかで、取調室へ運んだは良いものの土方に全てを押し付けたとか。そりゃァ覚えてない訳だ。一々記憶していない。
ただ「バスタオル一枚で公園に居た奴」と付け加えられて少しだけ記憶が蘇った。
旦那と言い争いをしていた、アイツか。
「どうして私は縛られているのかしら・・・・・・はっ、貴様ら侵略軍か!!クソ、寝ている隙に捕まるなんて一生の不覚・・・・・・」
「侵略軍?何言ってんだ、いいから黙れ!!」
「あら、観客を用意したようね。まさかこれは余興の一つ?うーん、そうね・・・・・・ジャグリングくらいなら出来るけれど?」
「・・・・・・マジで何言ってんだコイツ」
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堕天使(プロフ) - 涼羅@今までありがとうございました。さん» ご指摘ありがとうございます!調べたところいくつかあるようですね!漢字は難しい……!カタカナとして直しておきます!!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!!時間がある時にでもまったり読んでやってください!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
涼羅@今までありがとうございました。(プロフ) - 1話のこたつっていう字、違いますよ。炬燵ってなってますけど、火燵ですよ☆ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 74cb15c92b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - いいですね新作!とても面白そう!読ませていただきます!!! (2017年10月11日 21時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 乱スナイプさん» ありがとう!!2巻も3巻も近々出す予定なんで、是非見てね!!笑 超頑張る横浜ランドマークタワー!! (2017年10月11日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2017年10月11日 17時