【銀魂】電波を飛ばさずWi-Fiを飛ばせ【坂田銀時】

１３．無 ページ13

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「いいから話を聞きなさい！！」

「ぐは･･････ッ！」



コップいっぱいに溜まってしまった怒りが溢れ出す寸前で飛び蹴りを食らわされ、割と硬めの地面に身体を強く打ち付ける。その衝撃でコップいっぱいの怒りは溢れるどころか、コップごと床に落とした。

さては、星座占い最下位だな。でなければこんなに災難ばかり起こる理由が見当たらない。殴る前に蹴られた俺は、ゆっくりと起き上がる。

すると、世話が焼ける子ね、みたいな呆れた表情を浮かべていた女が目に入り、思わず胸ぐらを掴んで「テメェコノヤロー！！」と喧嘩腰に。



「追いかけても止まろうとしない染井くんが悪いわよ」

「どう考えてもお前が悪ィだろ！！」

「いや、染井くんが悪い」

「どこが！？じゃあ具体的に三十文字以内で俺が悪ィと思う所を百個言ってみろどーぞ！！」

「染井くんの星座占いが最下位だったのが悪いと思う、染井くんの普段の行いが悪いとしか思えない、染井くんの･･････」

「本当に百個言う気だなお前！！」

「だって染井くんが百個言えって言ったから」

「はい言いました！言った俺が悪うございました！！」



何を言っても動じない。言い負かす事が出来ない。
調子を狂わされるだけ狂わされて、意味の分からない染井の話。話していても疲れるだけというのを新たに学んだ俺は、耳を塞ぐ事に決める。

そして再び歩き始めると、やはり金魚の糞かのようにくっついてきた。体内の空気を全部吐き出す勢いの深いため息を吐いて俯き、怒りを堪える。


神様。僕、何か気に触るような発言しましたか？
一万回土下座するんで、今すぐコイツを殺してください。


そんな願いを心の中で三回言った。その間流れ星が流れてくれないかな、なんて思った。
万事屋の仕事問題も重なってか、とんでもなくイライラしている自分にも腹が立ってきて、そもそもコップ自体が御猪口くらい小さいのかも、とも考える。



「あら、どうしたのその顔」

「心を無にしてんだよ、何か文句あっか」

「全く無になってる気がしないのだけれど？」

「俺の中では無だから。人それぞれ無の概念違ェから、話しかけんな」

「無の概念･･････ちょっと何言ってるか分からない分からない」

「別に分かんなくていいから、話しかけんな」

「無にしてるのなら話しかけても無で答えてくれるんじゃないの？」

「しつけェな！！無なんだよ！！無は無なの！！黙ってくんない！？」

「どこら辺が無？」



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