肉じゃが【土方十四郎】 ページ10
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土方十四郎/3z/幼馴染み/両片想い
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「十四郎、母さんがお前に渡せって」
「お、さんきゅ。上がってくか?」
「うん、お邪魔する」
家が隣である彼に、母親はよく料理をタッパーに詰めてあたしに渡す。十四郎の家に届け、毎度家に上がり、暇潰しをする。それがあたし達の密かな日課でもあった。
小さい頃から一緒に居た彼。ずっと一緒だからこそ嫌な部分も目立つけど、それ以上にあたしはある感情を抱いていた。
「好き、なんだよな・・・」
「は?」
「えっ!?あ、いや、母さんの肉じゃがの話だぞ?勘違いすんな死ね」
「死ねまで言う事ねーだろ!」
そう、好きなのである。
彼があたしに対してどう想っているかは知らない。だから片想いのまま早十数年。
友達に相談した所、「もどかしいな!早く告れよ!」だった。
確かに、そう思う。でも・・・恥ずかしいじゃないか。そんな理由で想いを伝えた事は一度も無い。
「おい十四郎。あたしは」
「わぁってるよ、コーラだろ」
「流石」
「これでも十数年幼馴染みやってんだ。それくらいわからァ」
コップに注がれたコーラを飲む。シュワシュワと喉で炭酸が弾け、やはり美味しい。
「そのタッパーに入った肉じゃが、チンして食べろよ」と冷蔵庫にしまおうとしている十四郎に伝えると「おー」と適当な返事が返ってきた。
「おい、何してんだお前」
「エ□本探し」
「無ェよ!そんなもん!」
台所から戻って来た十四郎に蹴飛ばされたが、あたしは反撃する。そのまま足をかけて転ばせてやった。すると倒れてきた方向はあたしの身体のある方で。
見事十四郎があたしを押し倒す形になってしまう。
「・・・・・・何で退けないの」
「・・・」
「・・・き、聞いてる?」
あたしの顔をじっと見つめたまま動かない十四郎に戸惑いながら「とーしろーくーん?」と言うと、彼は強引に唇を重ねてきた。
「な、ななな、何すんの・・・!?」
顔を真っ赤に染め上げて彼の顔を見ていると、再びちゅ、と口付けをする。
すると唇を這わせたまま耳へ。そのまま耳を舐めると優しく甘噛みをした。
「ひ・・・ッ、ん」
「お前もそんな可愛い声上げるんだな」
「失礼、だぞ・・・コラ・・・」
耳元で響く厭らしい水音と、低い声。
ドキドキと胸が高鳴ったまま甘い吐息を漏らしていると。
彼は「・・・好きだ」と呟いた。
「私もだ・・・馬鹿」
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サド助 - 堕天使さん» じゃあお言葉に甘えて…また沖田で3zがいいです!!主人公は前回と同じ感じでokです。神楽にヤキモチ妬く主人公ちゃんが見たいです!何度もすみません!いつでもいいですので!!><;; (2016年11月6日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - サド助さん» 良かったです!!またいつでも待ってます!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
サド助 - 堕天使さん» あわわわわ!私こそ急がせてしまってすみません!!><すごく素晴らしいお話が出来てて感動しました!キュンキュンでした!いつもありがとうございます!!またリクします!!(^∀^ゞ (2016年11月5日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(・∀・)ノ (2016年11月3日 22時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 銀さんの、私も好きです( ̄▽ ̄) (2016年11月3日 21時) (レス) id: 65681d0734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2016年10月10日 19時