甘党兄貴【坂田銀時】 ページ7
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「本当に美味そうに食うよね、兄貴」
「兄貴じゃなくて、お兄ちゃんと呼びなさい」
ついこの間誕生日だった兄貴に、何もプレゼント出来ていなかったので、ファミレスでパフェを奢ってやることに。
万年金欠兄貴とは違って、あたしはきちんと仕事をしている。江戸の警察、真選組で。
「お兄ちゃんは心配してんだぞ、あんなむさくるしい連中の中に妹が一人で居るなんて」
「黙れよシスコン。あたしはアンタみたいな金欠にはなりたくないんだよ」
「シスコンじゃねーから。ただちょっと妹が好きなだけだから」
「それをシスコンって言うんだけど」
「姉ちゃんパフェおかわりー!」と勝手に頼む兄貴に呆れつつ、あたしもコーヒーを頼む。
神楽と新八も連れて来いと伝えたのだけれど、兄貴はそれを許さず一人で来た。
「お、Aに旦那。奇遇ですねィ」
「奇遇じゃない、アンタ付いてきてただろ」
「あり、バレてやしたか」
同い年の沖田は、面白いことがあると思うと問答無用でついてくる。真選組の中では仲が良い方だが、それを前面に出して話すと兄貴がうるさい。
「A、俺は認めてねーぞ。こんなのが彼氏だなんて」
「彼氏じゃねぇよクソ兄貴」
「小さい頃言ってただろ。『あたしは将来お兄ちゃんと結婚する!』って」
「お前そんな事言ってたのか、きもいな」
「いつの話してんだよ。あたしは死んでもアンタみたいな人間と結婚したくないね」
「お兄ちゃん泣くよ!?」
既にテーブルに並べられたパフェの空き皿は三つ。こんなに食べてるのを見たらこっちが吐きそうだ。
甘党な兄貴と違ってあたしは辛党。寧ろ甘いものが苦手。
「よくこんなに食えるね、糖尿病で死ねば良いのに」
「何処で覚えたんだその言葉!死ねとかいうな!」
「兄貴はあたしをいつまで子供扱いする気なの?」
「旦那がこんなにシスコンだとは知らなかったでさァ。俺今引いてます」
「標準語で引くとか言うんじゃねェ、傷付くだろ」
あたしのコーヒーを勝手に飲む沖田に「おい!今間接キスしただろ!やめろ!」とうるさい兄貴。本当にうるさい。
黙らす為にあたしは兄貴のスプーンを取って苦手なパフェを食べた。
「はい、これで兄貴とも間接キスしたよ。満足でしょ?」
「A・・・・・・お前本当可愛い奴だな」
「可愛いとか言うな」
嬉しそうにパフェを頬張る兄貴に再度呆れながら、沖田と見回りに戻ったのだった。
「誕生日おめでとう、お兄ちゃん」
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サド助 - 堕天使さん» じゃあお言葉に甘えて…また沖田で3zがいいです!!主人公は前回と同じ感じでokです。神楽にヤキモチ妬く主人公ちゃんが見たいです!何度もすみません!いつでもいいですので!!><;; (2016年11月6日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - サド助さん» 良かったです!!またいつでも待ってます!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
サド助 - 堕天使さん» あわわわわ!私こそ急がせてしまってすみません!!><すごく素晴らしいお話が出来てて感動しました!キュンキュンでした!いつもありがとうございます!!またリクします!!(^∀^ゞ (2016年11月5日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(・∀・)ノ (2016年11月3日 22時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 銀さんの、私も好きです( ̄▽ ̄) (2016年11月3日 21時) (レス) id: 65681d0734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2016年10月10日 19時