妹じゃなくて

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「、、不公平だよ」


絞り出したような声が正面から投げられる


「祐基は涙の理由を教えてくれない」


待って


「あやに内緒で独り占めばっかり」


それ以上言わないで


「、、、平気なふりしないで一緒に強くなろうよ」







さっき決意したばっかりなのに


あやはずるい、ずるいよ


かけたくもないフィルターで視界が滲む







「、、俺は、、っ、強くいないとって、、
ずっと強い俺で、、、あやのこと守るんだ、、って、、、」


歪んでしか見えない像でも、目線を逸らさずに聞いてくれてるって分かる


「だから、、あやと一緒にいるときは、弱い自分が邪魔しないように1人で、、、1人で弱い俺を隠してから会ってた」


自分の袖で雑に涙を拭うと


こっちの目を真っ直ぐ見つめながら同じように声を殺して泣いてくれるあやがいた








「付き合おうって言ってくれたとき
私たちには内緒ごとが多いからちゃんと話さなきゃいけないって


もう全部言うねって祐基約束したの覚えてる？」


「、、、うん」


「じゃあなんで隠すの」


「、、」


「そんなにあや弱くて頼りがいない？」


「そんなことないよ俺はただあやに心配かけ、、」


「寂しい」


「、、？」


「そうやって気つかわれると寂しいの


優しさなんだって分かってるけど
私だけずっと甘えてて助けられてるじゃん


祐基は強くて、それに比べて自分はなんて弱いんだろう釣り合わないなって苦しく思う時もあったけど違った


祐基だけが強いふりしちゃってさ
私はそれすらさせてもらえなくて




そんなのおかしいでしょ


どっちかだけ気を遣ってるのもそう


祐基だけ自分を隠してるのも


それこそ芸能人と一般人の違いだって


感じたくない差でも痛いくらいに感じちゃうんだよ」






声を震わせながら真っ直ぐ伝えてくれる姿は


あまりにも強くて格好良くて


でもどこか儚くて


自分どんだけ弱いんだよって痛感させられる

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