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妖*3 ページ3

「どうしたのだA」




「いや、なんでもない」




大きな九尾の狐。
その妖怪が呼んだのは彼女の名前

その狐に寄りかかりながら目を閉じる先ほどの女。





「そなたがその様な様子だと何かあったに決まっておろうが」




「…やはり隠し事はできんな


なあ、紫。
私は人の子を探してこの地に来た

だが、その子は独りじゃなかった

もう私が逢う必要は無いのでは…」




紫(むらさき)と呼ばれたこの九尾は彼女の名付け親のようなもの

九尾はもうこの世界で紫とAしか存在していない




紫「そうあからさまに落ち込むな

そんなことだと玉藻前の名が泣くぞ」




「…わかっている」





玉藻前とは平安時代末期に上皇に仕えた九尾の狐が化けたという伝説上の絶世の美女

それが実在したのかは定かではないがAはその生まれ変わりとされてきた

黒色の胸辺りまであるふわっとした髪の毛を指にからませて遊ぶ彼女はたしかに綺麗であった

それのため多くの妖怪に狙われてきたがさすがは玉藻前の生まれ変わりと呼ばれるだけあって実力はさすがのもの。

そんじょそこらのものが彼女に手を出せるはずがなかった





「なあ、紫

今度夏目たちが友達とここに来るそうだ」




紫「ほう、この湖を見つけたのか」




「らしいな」






夏目に友達ができた

嬉しいと喜ぶべきなのだろうが素直に喜べなかった

もう貴様は私のことなんて忘れているのであろう

だが、私は覚えている


私にとっても夏目…貴様は私にとって大切な人であった

そなたはきっとそんなことなど思ってなかったろうが





「記憶とは儚いものよ」





手の中に収まるサイズの小石を拾い、それを湖に投げた

ぽちゃん__と音がして何層もの輪になって広がっていく

水面にうつる自分の顔が歪んで見えてまるで私の心境を表しているようだった






「そなたに…逢いたい」













ニャンコ先生「た‐だいまっ」




夏目「おかえ…ってくさっ!?

ニャンコ先生、また酒飲んだな…」




ニャンコ先生「よいではないかあ‐

あ、それより夏目。

低級の妖たちが言っていたぞ

友人帳を持つ人の子を探している妖怪がいると」




夏目「友人帳を持つ人の子…」





レイコさんを探しているのだろうか

それとも…





夏目「っ」





何かが頭の中でひっかかっている気がする






ニャンコ先生「お‐い、どうしたのだ」




夏目「なんでもない。

早く寝よう」

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薔薇(プロフ) - すごく面白かったです!更新頑張ってください!待ってます! (2017年7月25日 13時) (レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - とても、面白いでした!すごく文章が綺麗です!羨ましい! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1cf210e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉花 - とても、丁寧で読みやすいです!私も夏目友人帳が好きでとてもおもしろいです。どこで、文才の安売りやってるんですかね・・・(´・ω・`) (2015年9月23日 9時) (レス) id: d6e8f5e893 (このIDを非表示/違反報告)
しずく*(プロフ) - 橄欖さん» はやかったですかwそれに夏目友人帳が大好きなので!w (2015年9月21日 14時) (レス) id: 9ccd6e3527 (このIDを非表示/違反報告)
橄欖(プロフ) - しずく*さん» はやい、コメントがはやい笑おそらく今までで一番早かったです笑文才なんて…(泣)でもありがとうございます!嬉しいです! (2015年9月21日 13時) (レス) id: ad5e357c1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橄欖 x他1人 | 作成日時:2015年9月21日 13時

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