妖*17 ページ17
気配がした
自分の近くに夏目の気配を察知することができた
「この辺りに…」
ちょうど角を曲がったところで人とぶつかった
…私にぶつかるなどなんて奴だ
一言文句でも行ってやろうかと顔を上げたその時
夏目「やっと…見つけた」
「な、夏目…」
ずっと探していた夏目がそこにいた
夏目はひどく疲れていてこんなになるまで探してくれたのかと嬉しく思う
夏目「よかった、どこかで迷子になったかと思ってな」
「ふん、誰がこんな場所で」
とは言ってみるものの、実際そうなりかけたのは事実だ
夏目も何故だかこちらを見て笑っていた
夏目「じゃあ、時間もないし
そろそろ行くか」
「…この手は何なのだ?」
夏目「はぐれたら困るだろう?」
「そんなこと…!……まあ、夏目がはぐれないために繋いでやらんこともない」
夏目「…素直じゃないなぁ」
夏目の意外と大きく優しい手を握る
こやつ、案外手はでかいんだなとしみじみ思った
ひょろひょろしてるし、私より力もないだろうしな
風に吹き飛ばされてどこかに飛んでいってしまいそうだ
…ほんとうに。
また私から離れていきそうな…
「夏目、もうちょっと食え」
夏目「これでもけっこう食べてる方なんだけどな;;」
「何を言う、こんなにも細っこいではないか」
脇腹辺りを腕で押せばうぐっ、と声をあげた
…そんなに強くしたつもりはなかったのだがな
やはり脆いな
夏目「よしまずはどこから行くか?
どうした?」
「A…私の名だ
呼ぶときはこの名を使え」
夏目「!そう簡単に名を教えても大丈夫なのか?」
「夏目は我の名を悪用しようとするほど馬鹿ではないだろう?」
夏目「褒められてるのかな…」
ざわざわと騒がしい空間なのに夏目の声がよく聞こえる
それはどうしてだろうか、
考えていても答えの見つからないものだから今を楽しもうではないか
夏目「A、どこに行きたい?」
「!…お主の好きなところなら何処へでも良い」
いきなり名前で呼ばれて吃驚した
でも不快な気持ちはない
それは夏目だからなのか
それとも…
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薔薇(プロフ) - すごく面白かったです!更新頑張ってください!待ってます! (2017年7月25日 13時) (レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - とても、面白いでした!すごく文章が綺麗です!羨ましい! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1cf210e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉花 - とても、丁寧で読みやすいです!私も夏目友人帳が好きでとてもおもしろいです。どこで、文才の安売りやってるんですかね・・・(´・ω・`) (2015年9月23日 9時) (レス) id: d6e8f5e893 (このIDを非表示/違反報告)
しずく*(プロフ) - 橄欖さん» はやかったですかwそれに夏目友人帳が大好きなので!w (2015年9月21日 14時) (レス) id: 9ccd6e3527 (このIDを非表示/違反報告)
橄欖(プロフ) - しずく*さん» はやい、コメントがはやい笑おそらく今までで一番早かったです笑文才なんて…(泣)でもありがとうございます!嬉しいです! (2015年9月21日 13時) (レス) id: ad5e357c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橄欖 x他1人 | 作成日時:2015年9月21日 13時