そこそこのモブが主人公に絡まれる話。【転スラ】 (ページ8)

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8話｢餡蜜と感謝｣ページ8

注文をし終わり、店員さんが出したお茶を飲みます。

さっきから他のお客さんは、リムルさんを見てはコソコソと話しています。

有名なお方なのでしょうか。

そしたら早く離れたいです。
あまり噂されるのは嬉しくないですし、
それに妬まれるのも面倒事ですから。

｢えーと、Aは甘い物とか好きなのか？｣

『はい!甘い物は好きですし、私の魔力の1部でもありますから』

｢そうか!俺の部下にも甘い物が好きな奴がいるんだ｣

リムルさんは、色んな事を話してくれました。
主に部下の事を。
相当部下思いのお方なのですね
ほんの少しだけ羨ましいです

｢お待たせしましたー｣

甘い物が来ましたね

『美味しそう』ﾊﾟｱｱ

今の私の周りには光があるでしょう
物理じゃないですよ

餡蜜の入った小柄な器を持ち上げ光に当てます。
日光により寒天が輝き見栄えを良くしてくれます

私は少しの間憧れていた"和菓子"を味わいました。

―――――――

夕方なのだろう、日は傾き辺りを赤く照らしています。
いつ見てもとても綺麗ですね。

『今日は有難うございます、右も左も分からない私に優しく教えて頂き感謝しています』

私はリムルさんに深々と頭を下げました
相手に感謝が伝わるかは置いといて

｢い、いや顔をあげてくれ
俺も好きでやった事だしな｣

『あっ、そうだ』

私は手持ちの鞄をあけ、ある物を出し渡します。

『これ、お詫びとして受け取ってください。
お口に合えば宜しいんですが…』

｢いいのか？｣

不安げに見てきます。
毒なんて入っていないのに…

『感謝の気持ちです』

強気の姿勢を出します。

｢じゃあ、有難く貰うぞ｣

『では、さようなら!!』

宿の空きがありますように!!!!

｢これ、肉じゃがか？｣

もう面倒事はすぐそこですよ