そこそこのモブが主人公に絡まれる話。【転スラ】 (ページ26)

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25話｢友人でもないのに。｣ページ26

リムルside

ラミリスと一緒に来て
俺は今他の魔王たちを待っている訳なんだが…

魔王であるはずのAはまだ来ていない。
旅人だから忘れているとか？

いやそれは無いな。

あの日のAは恐ろしいくらいに怖い顔だった。普段から考えられない顔でもあった。

あの日の声は別として。

シオンが後ろで落ち着きの無い様子で周りを見ている。
あんまり周りを見ると変な風に見られるぞ。

と、そんなことを言えるわけでもなく俺はじっと座っている。

後ろから何かを感じた。
何処かで感じたことがある感覚だった。

視界に入った瞬間わかった。
Aだ、と。

背丈は変わらないが髪型が違う。
三つ編みでまとめられている。

そして、後ろに誰かがついている。
黒髪でポニーテールをしているが、パッと見た感じ男か？

かなりの古参だろう。
俺より奥の上座に座った。

真顔で何にも考えていなさそうだ。

最近どうかしたのか？

俺はAに対しての不安が出ては止まらない。
俺はAと少しの間でかなりの過保護になっているように感じる。

まだ彼女に友人になろうとか言っていない。
ただの知人の関係なのにな。

これが終わったらしっかりと伝えないとな。

俺は拳をぎゅと強く握った。

そして、再度彼女を見た。

彼女の瞳は、真っ黒で何かが渦巻いている。
まるで何かを恨んでいるかのように。