〜キミといっしょに〜【ポケモン】短編集 (ページ16)

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(続ページ16

｢固いうちに食べるからダメなんだ。少しアイスを溶かすのがコツだ｣

ワタルは雪見大福の入ったトレーの上からアイスを手で温め、少し柔らかくなったのを確認したあと付属(ふぞく)のフォークを手に取りました。

かぷりとかじってからはむっと唇で求肥(ぎゅうひ)を挟(はさ)んでもにゅーんと伸ばします。

｢簡単だろう？｣

はむはむと雪見大福を食べる彼の姿に不意にも可愛いと思ったあなた

｢俺には似合わない言葉だな｣

どうやら口に出てしまっていたようです。

しかし、悪い意味では無いことはワタルも分かっています。

ほら、彼の口元が少し緩(ゆる)んでいますよ。

どんな形であれあなたからほめられたことが嬉しいのです。

｢お前のほうが可愛い｣

そう言って彼は甘く優しい目であなたを見つめながらそっと頭を撫(な)でました。

まさか雪見大福でこんなに熱くなるなんて…、あなたに隠れて食べるくらいです。よっぽど好きなんでしょう。

外では威厳(いげん)のある態度で活動している彼からは想像しづらい意外な一面ですが、彼女の前だからこそ見せる特別です。