７７話：決着をつけよう ページ35
オトスパスは初めから警戒していた。ジークを脅威に感じていたからこそ小さな動きにも反応しこちらの攻撃を未然に防いだ
新しい技を覚えたからと調子に乗った自分に腹が立つ
どうする、どうすればいい？………ミサイル針？いや、あれは振らなきゃ飛ばないし、飛ばさずに…なんて以ての外だ
〈オレ、へいき〉
失念していた。リンク状態で私の考えは筒抜けだということを
ジークはむくりと毛を尖らせ始めた
オトスパスが敏感になっているいまでは、ジークが攻撃する前に察知し回避されてしまう。それじゃただの自爆行為だ！
〈だめ！他に手を…！！〉
オトスパスがジークを放り投げ、間髪入れず殴りつける
むごく強烈な一撃
私はあまりの痛さにうずくまった
放り投げられてジークがすぐに逃げなかったのは、あの固め技のせいで足に力が入らなかったからだ
完全に私の判断ミス
〈A…〉
ジークはうわ言に私の名を呼んだ
ぼろぼろだ…。これ以上はもう無理だ
｢オトスパス｣
私の呼び声にゆるりとこちらに顔を向ける
降参。そう口にしようとした時
｢ガアァァァァッ｣
その声は入り江全体に大きく響き渡った
体が燃えるように熱い。それに、心臓の音がドクドクと耳うるさく鳴っている
〈オレは……〉
うそ…、立てるわけない。あんなものを受けて…そんな力、あるはずないのにっ
〈オレはまだ負けてねぇ!勝手に諦めてんじゃねぇぞ!!〉
｢っ！！！｣
まるで私を射抜くように爛々とする青い瞳
そこで、吠え声に固まっていたオトスパスはハッとして腕を振り上げた
しかし、ジークが振り向きざまにバークアウトを放ちオトスパスはたまらず頭を抱える
頭がガンガン痛むけど。でも、それを上回る高揚感がある。頭の中がふわふわして、とにかく最高に気分がいい
私は、指示する為に出す声も、言葉も、自分でさえよく分からなくなってしまった
｢kえmSかきぅtと0しっ！｣
毛をバチらせて撃つように見せかけ突進する
オトスパスは先程のバークアウトで判断が鈍ったのかまんまとフェイクにかかった
ジークの限界はとっくに超えている。だが、あっちも馬鹿力を出して息が上がってるし動きもかなり悪くなっている
気が昂っているにも関わらず私達は冷静に何をすべきかを直感的に理解していた
それはオトスパスも同じのようで両者互いに睨み合う
１秒にも満たない間の後、２匹はどちらからともなく動き出した
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ふっとう(プロフ) - マグナさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえるととても励みになります。更新がんばります！(p`･ω･´q) (2022年5月21日 18時) (
レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
マグナ - アッ...誤字った。 (2022年5月21日 17時) (レス) @page49 id: 0737f5af8e (このIDを非表示/違反報告)
マグナ - 面白すぎる。一気読みしました！再新楽しみにしてます！頑張ってください (2022年5月21日 17時) (レス) @page49 id: 0737f5af8e (このIDを非表示/違反報告)
ふっとう(プロフ) - 作者ふっとうです。いつの間にか星の色が変わっており驚きました。更新が遅れているにも関わらずこうして読みに来ていただけて本当に嬉しいです！今後ともどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2022年5月7日 1時) (レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
ふっとう(プロフ) - ぬこの妖精【見る用】さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)ペース遅いですが頑張って更新していきますのでよろしくお願いします！ (2022年4月15日 13時) (レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふっとう | 作成日時：2021年5月29日 21時
