７２話：分からないって怖い ページ30
かなり重大なことのはずなのに、こんな特に何も無くふと思って決断できてしまった
こんなに未練なく切れちゃうのも、記憶がほとんど消えたと言ってもいいくらい私の頭に残っていないからなのだろう。あるのは元の世界へ帰ろうとがむしゃらに旅した事実だけ
帰りたいという想いよりジークの存在が私の中でとても大きいものになった。ただそれだけのことなんだ
一緒にいたいからいる。それでいいじゃん
｢何て話そうかってこっちは心臓ばくばくだったってのに……帰ってくるなり寝ちゃうなんて｣
すぴすぴと気持ちよさそうなジークにつられて私も眠りについた
翌日、９番道路の入口
｢行こっか｣
｢バワッ！｣
自転車に乗ってキルクスを出発した。んだけど…いつ言おう？大事な話だし。ちゃんと伝えたい
｢うん？｣
頭にかかっていた重みがなくなった。ジークが私の背負っていたバッグから降りたからだ。補整された道じゃないし乗り心地がよくなかったんだろう
｢ここから先は歩きで行こう｣
そして、キルクスの入り江を抜けた先でテントを張り、日が暮れるまで野生のポケモン達を観察した
ガラルに来てから、ジークに出会ってから一日が終わるのが早く感じる。でも、とても濃い時間を過ごせていて充実している
うん。それはとてもいい。いいんだけど。で？いつ話すんだ私！
調査を始めた翌日から悪天候が続き調査がなかなか進まず９番道路で過ごしてもう３日目になる
タイミングがなかったのもあるが、避けられていたせいでもある。口には出さなかったけど…
ジークの方からリンク状態を断ってるようで、触れさせても貰えない
意思疎通は出来るけどキルクスを出てからずっとこの状態だ
ジークが何を考えてるのか分からない。分からないのがこんなに怖いとは思わなかった
｢明日、帰るし…その時に話すか｣
翌朝。帰り支度をしている時にもさりげなく触れようとしてみたが、変わらずジークは私を避けている
何で避けるの？
って、いつもだったらすぐに聞けたんだけど。あの話をジークにしようと考えてたのに避けられていたせいで余計なことまで頭に浮かんできて、どんどんネガティブの沼にハマってる……
でも、このままにしておくわけにもいかない。腹をくくろう
｢あの…さ、大事な話があるんだけど聞いてほし……っていないし！どこ行った？？｣
リンク状態がなかったらどこにいるかも感じ取れない…
｢ジーク、出てきてよ………？！んぐっ！！！！｣
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ふっとう(プロフ) - マグナさん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえるととても励みになります。更新がんばります！(p`･ω･´q) (2022年5月21日 18時) (
レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
マグナ - アッ...誤字った。 (2022年5月21日 17時) (レス) @page49 id: 0737f5af8e (このIDを非表示/違反報告)
マグナ - 面白すぎる。一気読みしました！再新楽しみにしてます！頑張ってください (2022年5月21日 17時) (レス) @page49 id: 0737f5af8e (このIDを非表示/違反報告)
ふっとう(プロフ) - 作者ふっとうです。いつの間にか星の色が変わっており驚きました。更新が遅れているにも関わらずこうして読みに来ていただけて本当に嬉しいです！今後ともどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2022年5月7日 1時) (レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
ふっとう(プロフ) - ぬこの妖精【見る用】さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)ペース遅いですが頑張って更新していきますのでよろしくお願いします！ (2022年4月15日 13時) (レス) id: 09faf525cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふっとう | 作成日時：2021年5月29日 21時
