無知 ページ7
『なあ、なんかあったやろ?朝』
「え?ないよ」
『泣いてたやん、神ちゃんのとこで』
「あれは、仕事嫌すぎて。」
『ちゃう、お前そんなんで泣かへんやろ』
「……もうなに?やめてよ〜。なんもないって」
『俺には言えへんの?』
「っ、いや」
『まあそやろな。俺らって別に同期なだけやし……
でも寂しいやん』
やっぱりバレてた。まあ、知ってた。
そのあととものところに行って聞きに行ってたのも知ってた。
心配してくれているのもわかってる
力になりたいと思ってくれているのも、全部。
だけど言えない。
迷惑をかけたくないから。
ただの、同期だから。
"心の中で干渉しないようにしてる部分はあるやろ"
「……っご、ごめんコタキチ、私今日はダメだ」
『なんで泣いてるん…?』
「私、もう寝るから
好きに使っていいから。洗い物は明日やるから置いといてもいいよ、ごめん」
『A』
今までと違う声色で呼び止められた。
『俺お前のこと、なんも知らんねん。
同期やし、仲良しやで。でも、俺はもっとAが大事やし大切やねんか。心配やねん、ほんまに。』
なんだか、すごく厚くて大きな壁を
一瞬でぶち壊された気分だった。
「あ、あのね……聞いて欲しいことがある。」
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作者名:そば子 | 作成日時:2020年1月15日 11時