ドライ ページ8
「神ちゃん、飲み行かへん?」
『ええよ、』
数日前
俺が神ちゃんを誘って飲みに行った。
神ちゃんと俺と、Aで飲みに行くことはあまりなくて
神ちゃんと俺、もしくは神ちゃんとA
絶対に3人で行くなんてことがない。
『最近どうなん?』
「なにが?」
『仕事とか、プライベートもやけどさ。』
「なんも変わらんな。あ、生1つ、あと烏龍茶。」
『お、ありがと。』
「ええで。……神ちゃんはどうなん?彼女と」
『仲良しやで。ええ子やし、楽しい。』
「ええなあ、彼女」
『もうおるようなもんやで!』
神ちゃんは、俺らをめっちゃ推してくる。
やれ、付き合わんの?やれ、好きやろ?
確かに付き合ってるようなもんやし、今と変わらないことの方が多い。
やけど、今の俺らって結構ドライなんやろな。
お互いのことは熟知してても、お互いの周りの関係性にまで口を出したことも知ろうとしたこともない。
でもそれでええし、それがええ。って、望んでいたことやった。
でも最近は、不安になることが多い。特に俺が。
『そんなん、好きやんか。』
「ちゃうって……」
『お互いの周りの環境を気になりだして?挙句の果て不安になってんねやろ、そんなん。好きやで』
図星なのかもしれない。こんなにも腑に落ちたんやから。
気づいたら好きだったのかもしれない。もしかしたら最初から、それとも最近?
なんにせよ俺は、Aが大切で大事で
それだけは自分でも自覚できた。
『あいつの壁は、分厚い』
「……わかってるわい。」
『壊せんのは、のんちゃんだけ!』
「御意」
114人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そば子 | 作成日時:2020年1月15日 11時