29. ”親友” ページ29
そして。今度は私に向かって
春樹は真剣なまなざしで口を開く。
「お前に一番に紹介したかったんだ。
なんてったってお前は昔からの
大事な親友だからさ(*^^*)」
言った後。また照れ笑いする春樹。
その笑顔が胸にキリキリと痛い。
また始まった目の前の幸せそうな
２人のやり取りがどんどん
遠くに聞こえていく。
目の前が真っ暗になっていく感覚。
”親.....友....”だったの...？
春樹の優しさ。
私だけに見せる特別な笑顔。
他の人の前じゃ見せない
落ち込んだ姿。
皆、みんな。
それは”親友”だったから.....？
バカだ、私......
勝手に”恋心”じゃないかって。
春樹も同じ気持ちなんじゃないかって
思いこんでた。
そうじゃなかったのに。
全然そうじゃなかったのに。
今すぐこの場から
走って逃げたい....っ。
でもそんなことできっこない。
そんなことしたら。
春樹にもこの子にも
絶対変に思われて。
もう”親友”でさえ
いられなくなるもの....っ
「.....おめで、とう、
春樹.....鈴木、さん....」
残ってる力全部振り絞って出した声。
心にもない言葉。
「....サンキュ(*^^*)
お前にそう言ってもらえるのが
一番嬉しいよ、俺」
「ありがとうございます、宮下さん」
「....あ。で、お前の話って？何？(^^)」
その瞬間、ドクンッと変な音を立てた胸。
でも。
今日こそ、って。
心を決めてあたためてきた
大切な想いを。言葉を。
グッと飲みこんで。
胸の奥で押し殺す。
「....あ、も、もういーんだっ(＞＜)
もう解決したから。
ごめんね、ありがとねっ」
「？そ？ならいいけど。
あ、千夏、ここのパスタ
すげぇうまいよ。特にこれおすすめ♪」
「ホント？じゃ、それにしようかな。
あ、宮下さんは？」
「あ.....私も。それで....」
それからは。
自分が何を話したのか
何を食べたのか全く覚えてない。
ともすれば今にも
こぼれおちてしまいそうな涙
グッとこらえて。
とにかくフォークを動かして。
一生懸命パスタを口に運びながら
２人の話に相槌を返していた。
店を後にするまで
本当に幸せそうな２人だった。
お店で過ごした３時間。
結局。春樹の口からは
”誕生日おめでとう”の言葉は
一言も出てこなかった.....
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かこ(プロフ) - 翔loveさん» ありがとうございます！まだまだ続く今回のストーリー、どうぞしょーちゃんとの同棲生活楽しんでくださいねー（＾＾） (2014年3月8日 9時) (
レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
翔love - 面白かったです！最高でした！！更新待ってマーーーース！！！！！！ (2014年3月7日 15時) (レス) id: 689a8ee5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年3月4日 18時
