<<読者様3000人記念>> Blue 【Jun Matsumoto】 第１章

38. 同じ夜空 ページ38

「...ね」

「ん？」

「今、ベランダ出られる？」

「あ、うん。どうしたの？」

「今夜すげぇ星きれいなんだ。
　めちゃくちゃ寒みぃし、
もしかしたら...」

「え？」

「ううん。とにかく見てみてよ。」




寝てる杏桜子の頬に軽くキス。

携帯耳に当てたまま、
カーデはおってベランダへ。


出たと同時に身を切るような
寒さに襲われる。

真っ白な息。

見上げるとそこには
本当にきれいな夜空。


こんな星空久しぶりに見た....

昼間は車や子供達の声で
にぎわっている辺りも
しんと静まり返っていて。

いつもの風景とはまた
違った表情を見せている。



「...本当...きれい...」

「だろ？あ、寒いからちゃんと何か着た？」

「うん。大丈夫。あ、潤くんは？今、外？」

「俺は車ん中。今日はね、
　マネージャーさんに送ってもらってる。」

「今日も一日お疲れ様(^^)」

「サンキュ」




それから同じ空の下、
別々の場所で一緒に見上げた星空。





「都心だとこれでもよく見えるほうだよな」

「ふふっ。こっちはとてもきれいだよ。」

「さすが２３区外っ(笑)」

「悪かったわねっ★」






電話からは時折潤くんの
静かな息遣いが聞こえてくる。



まだこれからも続いていく夜の中、
”私は一人じゃないんだ”って思えて。
なぜだか妙に安心できた。

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