23. 新しい一歩 ページ23
「....いってきます」
「いってらっしゃい」
ゆっくりと手を解いて。
潤に背を向けたら。
その瞬間、肩にしっかりと
置かれた潤の両手。
そうして力強く潤は
私の背中を押してくれる。
一歩。二歩。歩いて。
後ろを振り返ったら。
潤が極上の笑みをたたえて
私を優しく見つめて立っていた。
検査場に入る前に。
入ってからも。
何度も振り向いて
潤に手を振る。
変わらずにこちらを見ている潤は。
私が手を振るたび、手を上げて
それに応えてくれる。
手荷物を受け取り終えて。
これが最後と振り返ったら。
今度は。手は上げずに
ゆっくりと大きく
一つうなづいた潤。
....うん。行ってきます。
私も笑顔で同じように
一つうなづいて見せた。
それが合図だったかのように。
多分。ほとんど同時に私達は
互いに背を向けて
それぞれの方向へと歩きだした。
それでもやっぱり。
２，３歩歩いたところで
振り向いてしまう。
瞬間、目に飛び込んできた
潤の背中。
いつもは大きくて
たくましいその背中が。
少しずつ遠くに
小さくなっていくのが見えた。
ほんの少しだけ
その姿を見つめていたら。
瞬間、胸の奥の端っこの方が
きゅうっと切なく
締め付けられたけど。
大丈夫。
私達は別々の道を
歩きだしたわけじゃない。
別々の場所にいるだけど。
２人、同じ方向を見つめて
歩きだすだけ。
これからも続いていく
私達の歩みの中で。
今日この時がきっと
新しい一歩になる。
そう固く信じて。
自分を奮い立たせて。
高く晴れ渡った秋空の下、
私は北海道行きの
飛行機へと乗り込んだ。
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かこ(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！最近描きたい熱がふつふつと…新作、お出しできたらいいなと思ってます。 (2021年8月19日 12時) (
レス) id: b1fafd3fe6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - かこさん、待ってましたーーーー！！！これからかこさんの世界へダイブしてきます。 (2021年8月19日 5時) (レス) id: 93caeddf38 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - miyu-miyuさん» ありがとうございますー（^^)やはり、順調なばかりではないのが遠距離恋愛っ！（経験者は語る(笑））記念作品はお気に入りが２０００人を越えたらすぐアップしますねー♪第２章もよろしくですー（^^) (2014年10月5日 20時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
miyu-miyu(プロフ) - かこさん、お疲れ様です。暗雲ですか‥なんかドキドキしますね(^_^;) でも、楽しみです。 記念作品ですか、是非読ませて下さいね。では、このまま第2章へ行ってきま〜す(^-^)/ (2014年10月5日 20時) (レス) id: 209e6d27eb (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - riamさん» ありがとうございます(*^^*)Everything、初めてヒロインが潤くんファンという設定で。私も書いていてとても楽しかった作品です。更新がんばります！ (2014年10月5日 17時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2014年9月29日 16時
