3. Before dawn [KAZU] ページ9
明け方の、
少しひんやりした空気と。
背中に感じる心地よい
重みとぬくもりで
ふと目が覚めた。
.......？
「...寒ーみぃ...っ...」
「....重ーーいっ(苦笑)」
「だって。俺、Tシャツと
パンツだけだもん。
あっ。俺の着てんじゃんっ」
....バレたか(笑)
カズのパジャマ着てること。
久しぶりに会えた私たち。
どうにも我慢できなくて。
タクシーを降りて。
部屋のドアを開けた瞬間。
２人して飛び込んだベッドの海。
シーツの波間を
何度も揺れて。揺れ合って。
そのままいつしか
眠ってしまってて。
どのくらい
そうしていたのかな。
なんとなく
肌寒くって。目が覚めて。
ふと手を伸ばしたら
触れたパジャマ。
つい拝借しちゃったんだ。
「返せって」
「やんっ。自分から
脱いだくせにっ」
「いや、どっちかっつーと
脱がされ...」
ボスッ★
「いてっ★いきなり
枕投げんなってっ」
「されたのはこっちっ////」
「んふふ(笑)
...んなことよりっ。
寒みぃーのっ」
そう言って。さっきよりも
ピトッてくっついてくるカズ。
寒さに震える子犬みたい(笑)
...かわいすぎ。
「...もー...///」
しょーがないな。
パジャマ取ったのは
私だし(苦笑)
ちょっとはあっためて
あげよっか。
くるりと方向転換。
包み込むように
両腕でそっと
カズを抱きしめる。
寝ぼけまなこで私を見て。
「ふふっ」ってにやけてから。
カズはまたスーッと
寝入ってしまう。
寝ぐせのついた、柔らかい髪を
梳くように指を通して撫でる。
小っさい頭。白い肌。
かわいらしい、薄い唇。
華奢な肩。小さな手。
なんだろね。
起きてる時は
小憎らしいくらいの
口きくくせに。
無防備な時はこんなに
かわいらしかったりするなんて。
ずるいー。反則。
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作者名：かこ
| 作成日時：2017年3月15日 15時
