乙女革命【黒バス】

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｢いただきまーす！｣


各校入浴が終わり、全員揃っての夕食。
みんなが美味しく食べていてほっと息を着く。


｢お、白戸くんじゃん｣


みんなの食事を突っ立って眺めていると高尾くんに声をかけられた。


｢高尾くん、どうした？｣

｢……んー、やっぱ違うな｣


高尾くんの言葉の意味がわからず首を捻る。


｢あ。そうだ。向こうでPGの人らで食ってんだけど、白戸くんも来ねぇ？｣


誘いを受けて、断る理由もないので一緒に向かった。席まで行くと高尾くんが肩を組んだ。


｢誠凛のマネ連れてきましたー！｣


彼がそう言うと、みんながこちらに視線を向ける。
どうやら征十郎はいないようだ。
ふと辺りを見渡すと帝光中メンバーで食べていた。


｢おー白戸｣

｢お、白戸じゃん｣


伊月先輩と福井さんがヒラヒラと手を振った。
安全そうな人を見つけて安心するが、そう簡単ではない。


｢Aちゃんやん｣

｢うぎゃ！！｣


背後から声が聞こえて悲鳴をあげた。
ニヤリと笑う今吉さん。今1番の危険人物だ。
冷や汗が吹き出す。


｢どした？｣

｢あ、いや、天敵が…｣

｢ぶはっ！天敵って！｣


私の回答に高尾くんは吹き出す。けれど天敵なのは事実だ。なにされるかわからないのだから。


｢天敵って、ひどいなぁ。ワシらの仲やん｣


また目が開いている。
恐怖で固まっていると、伊月先輩が口を開く。


｢白戸！こっちで食べるか？｣


何かを察した伊月先輩が助けてくれた。神様だ。
私と今吉さんの空気、そして伊月先輩反応。全員が、何かある。と、私を気にし始めてしまう。


｢そや、親睦深めるためにみんなでAちゃんって呼ぶってのはどうや？｣


どれだけ腹黒いんだこの人。性格悪すぎだろう。


｢え？なんでだ？｣


福井さんがキョトンとした顔で問う。
そうだ、意味がわからない。もっと言って欲しい。


｢そりゃあ、各校にマネージャーとして来てくれるんやで？仲良うせな｣

｢ふーん、ならAで良くねーか？｣


福井さんがまともで良かった、と心で涙を流す。


｢わかってへんなぁ〜｣

｢いいっすね！じゃ、オレもAちゃんって呼ぼ｣


私の嬉し涙は悲しみへと変わった。
高尾くん、なんで乗るんだ。


｢ほら、伊月も呼びぃや｣

｢えぇ…と｣


伊月先輩がこちらに視線を向けた。
もうどうにでもなれ。


｢A｣

｢っ…！｣


目を見つめて名前を呼ぶので、お互い思わず照れてしまう。


｢え、何この空気｣


高尾くんが苦笑を零した。

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