やっぱりリア恋枠【まふまふ】

【番外編】ハニーレモンハニー ページ34

貴方 side






______１週間前







「 ……イメージモデル 」


有朱「 そ。これ名刺。さっき電話があって、あんたに是非やってほしいって。あと新作もそこに 」


「 …興味ない 」


有朱「 まあ、確かにただ単にランジェリーなら私も反対よ？でもここ、Aの愛用ブランドなんだわ」








ほれ、と渡されたそれは、確かに私が愛用しているランジェリーブランドのもので。デザインに正直めちゃくちゃ胸がくすぐられる。


柔らかくてラグジュアリーな印象を与えるサテン生地の色味も綺麗なパールピンクでめちゃくちゃ好みだし、オフホワイトリボンのレースアップなんてむりオブむり。語彙量を無くす可愛さ。







有朱「 ツイッターでデザインが好きで愛用してるって言ってからちょくちょく新作のこととか呟いてたでしょ？」


「 ああ、うん 」


有朱「 それで知ったブランドのデザイナーさんがあんたをイメージにして作らせてほしいって自ら。かなりご執心の様子 」


「 へえ、」


有朱「 どうする？」







目は煌めいてるし心は高鳴ってる。だってあのフランソワのCM出演。これを逃したらもう二度と関わることができないかもしれない。

露出の多い下着姿での撮影は確かに不安の方が多いけど、やってみたいと思う自分がいる。






「 真冬くんが許してくるとは思ってない、けど」








もし私が逆の立場で、仮に真冬さんが露出度の高い衣装でMVを撮ると言い出した暁にはナイフを取り出し「そんなことをしたら死んでやる」と見事なまでメンヘラを披露しただろう。







「 …自分の可能性に賭けてみたい 」


有朱「 お、まじ？」


「 こんなに可愛い私がやらなくて他に誰がするの」


有朱「 はいはい、じゃあ連絡しておこうか？あんたできないでしょ 」


「 よろ 」





プルルル、プルルル、携帯の音が鳴る。

ほんの少し傾斜した視線でアリスが笑った。







有朱「 あんた、変わったよ 」


「 …そう？」








プルルル、プルルルル…







有朱「 うん。まああたしは、今のAも昔のAも好きだけど 」






プルルル、ガチャっ





「 は？」


有朱「 あっ、もしもし〜はい、先程名刺を頂いた、はいそうです〜 」







シッシッと手で追い払われて、作業部屋へ。



何だかんだ私は、彼女がいないと生きていけない。と思う。
依存はよくない。だけど心の拠り所があるのとないのとじゃ生きやすさは大分違うことを知っている。

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