やっぱりリア恋枠【まふまふ】

【番外編】星屑エスコート ページ29

真冬 side





有朱「 真冬さん。」


「 あ、アリスちゃん…その、Aは…」


有朱「 はは。今ベールを付けているところです。入りますか？」


「 えっと、うん…」





有朱「 もっと堂々としてください！ほら、入って入って 」





中々手厳しいアリスちゃんの言葉に苦笑を浮かべつつ、扉を開け気を引き締める。

今なら少し気が緩んだだけで泣いてしまう。多分。






「 …真冬くん？」






カーテン越し、呼ばれた名前。
全てに胸が鳴って苦しい。





貴方「 ………真冬くん 」


nqrse「 ありゃ、固まってる 」





この際、何で俺より成瀬くんのほうが先にAのウエディングドレス姿を見ているんだ、とか絶対今俺変な顔してるだろうな、とかもうどうだっていいよ。いやよくはないけど。

深く息を吐いて、ゆっくり吸って、瞬きをする。







「 ………A、」



ウエディングドレスに相まって、編み込みで纏められたブロンドがいつもより煌めいて見える。

ふわりと浮かべられる微笑みも、ピンクの唇がなぞる俺の名前も、全て愛しい。







貴方「 えっと…どう、ですか？」


「 っう、生まれてきてよかった……っ！」


nqrse「 …やっぱ泣くんかい 」







成瀬くんと入ってきたアリスちゃんと、彼方さん二葉ちゃん夫婦に呆れられながらAの手を握って泣いた。
…流石にそのあと入ってこられたAのご両親に「あらあら」と見られたのは恥ずかしかったけど。







「 本当に、綺麗だよ…そのほんとに 」


貴方「 …ま、真冬くんも…素敵…いつも、素敵だけど…ほんとに、素敵 」






nqrse「 語彙力なくしてるよ 」


有朱「 双方バカね 」


nqrse「 んじゃ、俺はそろそろ会場の方へ行くわ。」






有朱「 A、」


貴方「 ……アリス、今日来てくれてありがとう」


有朱「 当たり前じゃない。世界に一人だけの悪友の結婚式なんて、来ないわけないでしょ 」



ほんの少し涙目のアリスちゃんに近づき、手を握る。額と額を合わせて、微笑み合うその光景はとても綺麗だった。





有朱「 ……結婚しても、会ってよね 」

「 当たり前 」





有朱「 真冬さん、」


「 へ、あ、はい 」


有朱「 Aのこと泣かせたら、手が滑って、」


「 ……ヒッ…」







有朱「 刺しちゃうかも？なあんて 」





目がマジですよせんぱい。




「 肝に命じて置きます…」







そうこうしてる間にスタッフさんに呼ばれ、式開始五分前となった。

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