やっぱりリア恋枠【まふまふ】

【番外編】星屑エスコート ページ27

貴方 side






オートロックを解除して、ドアを開けたら彼がいて。その嬉しさに頬を緩めながら「真冬くん」と声をかける。

返事がなくて、不思議に思ったら、彼が私に跪いた。




目の前が、チカチカする。
手で口を押さえて、また溢れてきた涙を拭うこともしないまま、差し出されたそれを見つめた。






真冬「 美月Aさん、」






彼が私の名前を呼んで、ふにゃりと微笑う。
幸せが滲んで前が見えない。





「 は、はい…っ」





二周年記念なのに、なんで成瀬と遊べって言ったんだろう。って思ってた謎とモヤモヤが一気に払われてく。
箱があけられ、きらりと光るそれが私の目に映った瞬間、倒れそうになった。






真冬「 俺と、結婚してください 」





夢見ていた。憧れていた。
彼の彼女ではなく、妻として、確約した未来を手に入れることができたらいいのにと。

結婚したいだなんて言えるわけもなくて。
ただ、いいなぁと思ってただけだったけど。


彼は歌い手で、沢山のリスナーがいて、私もその一人だから痛いほどわかる。
恋愛は確かにその人の自由だけど、彼の場合は他の人より私生活がかなり制限されているから。



恋人はまだ他人で、結婚することで彼の家族となれる。それは大きな違いだった。


私にとって家族は特別だ。
この世に無性の愛なんて存在しない。
だからこそ、お互いが努力して相手を愛することが必要。彼とのこれからを私は期待していた。




「 …不束者ですが…宜しくお願いします 」



彼の家族になりたい。そう、強く願っていたんだ。





彼と同じ目線になるように、私もしゃがみこむ。
驚いた顔をするから微笑めば、前ががみのまま抱きしめられた。その背中に腕を回す。





真冬「 絶対、幸せにする。」


「 …私も。真冬くんを幸せにする 」


真冬「 へへ。そりゃあ頼もしいな 」






離れて、見つめ合って、数秒触れるだけのキス。
おでこをくっつけて笑いあえば幸せで満ちていく。

…と思ってたら、クラッカーが突然鳴った。







坂田「 おめでとうっ！」


うらた「 おめっとさん！」


天月「 末長く御幸せに！」


luz「 婚約おめでとう〜！」






豪華な面々がリビングからにこにこ顔で出てくる。
真冬くんが照れ臭そうに「サプライズパーティー、です」と呟いたから状況を把握した。



天月「 ほら、彼方さんも！」




彼方「 …おめでとう、真冬、A 」


そう優しく笑いかけられて、また、涙がこぼれる。

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