リア恋 065 ページ15
真冬 side
皿洗いのあと、今日は引っ越し作業をこれくらいにしようってことでソファに二人で腰掛けてゆったりとした時間を過ごしてる。
Aちゃんの淹れてくれたココアは自分が淹れたのよりも遥かに美味しいと感じた。
ふと、横目で盗み見る。
同じくマグに口をつける彼女。
長く伸びた睫毛が少し伏せられていて、より一層綺麗に見える。
よく、横顔にドキッとするって友人が言っていたけど確かにそうかも。
いやまあ、彼女の場合は真正面から見ようが上から見ようが斜めから見ようが可愛いには変わりないんだけど。むしろどこから見たら可愛くなくなるんだ。欠点なんてなに一つないようにすら思えてきた。
それに比べて俺はというと貧弱でダメダメで…………やめよう。自分で言って悲しくなってきた。
自分の不甲斐なさにトホホとなってたら、急に君が俺の手を握る。
貴方「 明日も明後日も、わたし、真冬さんの隣にいていいんです…よね 」
その言葉にフリーズ。
思えば君は、いつも謙虚というか、ネガティブというか。
自分のことを可愛いというたびに少し切なそうに目を揺らしたり、俺のことを好きだと微笑む顔に陰りがあったり、どこかに遠慮が見えた。
「 当たり前でしょう？俺は君が好きで、君は俺の恋人なんだから。ずっと隣にいて 」
貴方「 …っ……ま、まふゆさんかっこよすぎませんか 」
ひえ、なんて声を出しながら両手で顔を覆う彼女は、指の間から見えたけどかなり赤くなってる。
可愛いなあ、ってクスッと笑みがこぼれた。
「 あのね、Aちゃん…」
自分のことを誰よりも愛してあげてほしい。
過去にあったこと、これから待ち構えてること、嫌なことはきっとあったしあると思う。
でも、誰よりも自分を信じて、好きでいることが、生きてく上での最低条件なんじゃないかな。
俺もね、自分なんかって生きてきたこともあるよ。むしろ大半はそうしてきた。
だけどまふまふのことを、俺のことを好きだと言ってくれる人が現れてから分かったんだ。
こんな俺でも愛してくれるんだ。
それならちゃんと、俺自身と向き合わないと。愛してあげないとって。
人の心変わりを止めることはできないし、時間も巻き戻せない。去っていく人を引き止めるなんてこと俺には悲しくてできないけど、それでも変わらず愛してくれる人はいる。
「 そんな君を愛する一人に、俺はなるよ 」
君の手を、できるだけ優しく握った。
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あや - もうひとつだけリクエスト！ゆせくんとゆづきくんの恋愛物語が読んでみたいです。なんか自分勝手で……すみません！ (2018年12月25日 20時) (
レス) id: 28e750a0f3 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 完結おめでとうございます！すごく面白かったですー！もうnqrseくんカッコよすぎ。リクエストなんですが、リア恋枠 【nqrse】読みたいです。nqrseくんの恋が叶うハッピーエンドを作っていただければ幸いです！ (2018年12月23日 23時) (レス) id: 28e750a0f3 (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - 面白くて初めから読んじゃいました。完結おめでとうございます。これからの花籠さんの活躍を心から期待し、陰ながら応援しております。（リア恋lastのまふまふさんのセリフ「離さない」が「話さない」になってると思います…。お気を悪くしてしまったらすみません…！） (2018年12月15日 21時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
あちゃん☆。.:＊・゜(プロフ) - 初コメ失礼します！完結、おめでとうございます!!番外編もとても面白くて更新をいつも楽しみにしていました！おもしろくて感動できてすごくキラキラしていて私は大好きでした！新しい作品も、がんばってください!!!!ほんとに、お疲れ様でした！花籠さん、大好きです!!! (2018年11月6日 22時) (レス) id: e9a801723a (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 完結おめでとう御座います。何度も読み返していて感想が遅くなり申し訳ありません。このお話に私は恋をしました。出逢えた事が幸せだと胸を張れます。終りを迎えるのは哀しいですが4人のこの先の幸せを祈っています。次花籠さんのお話を読める時を楽しみに待っています (2018年11月4日 18時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花籠 x他1人 | 作成日時：2018年9月21日 12時
