サディスト的恋愛方程式〔黄〕 (ページ47)

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ep.47 ページ47

「なんや、ええ人やったなあ」

「そうですね。スムーズに話が進んでよかったです」

「ほんまやな。思ってたより早う帰れそうやな」

サエキさんの家から出た頃には
もう日は沈みかけてて、

予約されているホテルに向かうために
ふたりでタクシーに乗り込む。

「錦戸さんと、うまくやってるん？」

「…え？…うまくやってるつもりです。笑」

「そおかぁ…」

…え？聞いといて、それだけ？

って言いたくなったのはグッと我慢する

「大倉先輩こそ、カナちゃんと
うまくやってるんですか？」

「…ん。まあぼちぼちやなあ」

「ぼちほちって…」

幸せそうにカナちゃんに
笑いかけてたくせに…

なんでそんな風に言うの、よ…。

…

しばらくタクシーに揺られてると
ようやく、黒い外壁のホテルについた

「ホラ、行くで。」

と、お金を払い終えた先輩が
手を私に差し伸べる

なんか、デジャブ。だなー
と、思いながら

大人しく差し伸べられた手を掴んで
タクシーから降りる

今日くらい、甘えて、
いいんでしょ？

…

「じゃあ、俺、チェックインしてくるから
ここで待っといてな。」

「え、私が行きますよ」

「ええって。足、靴擦れしとるやろ？」

「あっ…はい」

あまり慣れないパンプスを
履いて来たから、

結構前から痛いなあ…って
思ってたんだけど、

バレてた、んだ…

ちょっと、キュンとした。

ちょっと…じゃないかもしれないけど
ちょっと…って言っとく。