サディスト的恋愛方程式〔黄〕 (ページ5)

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ep.5 ページ5

「すごい…」

「おん。取引先の人が、無類の和食好きらしくてなぁ。
ここのフグ、めっちゃ美味いらしいで？」

「そうなんですね…楽しみ。
だけど、緊張します…。」

「俺、も…。
でも、良い人やから大丈夫。」

私に言ってるてより、
自分に言い聞かせてるような気もするけど、

スッとさっきよりも
背筋を伸ばす先輩。
あ、仕事の顔になった。

この顔、好きだったな。なんて思いながら、
先を歩く先輩についていく。

…

「あ、錦戸さん。お久しぶりです。」

「あぁ、大倉さん。久しぶりやなあ。」

襖を開けて入って来た人は、
思ったより数十歳若い人だった。

オールバックに
綺麗なスーツ。

いかにも、仕事ができそうな人。

「立たんでええよ、座ってリラックスして。」

「あ、ありがとうございます。」

「ありがとうございます。」

錦戸さんが座ったのを見て、
先輩が座り、私もそれに続いて座る。

「なんか、飲もか。
大倉さん、飲めるクチやっけ？」

「人並みには、飲めます。
いろんなお酒に手を出すとすぐ酔いがまわってしまいますが。笑」

「ふふ。そうなんや。じゃあ、あんま種類は変えないほうがええな。笑

で、そこのキミは？飲めるん？」

「私ですか？
お酒の強さには自信がありますっ。」

「ふふ。それは、ええなあ。
じゃあ、飲みますか。」

笑った顔が素敵な人だな。
くしゃっとなる感じ、
モテそう…。

錦戸さんが、お酒から食事まで
注文してくれて、
いろいろ運ばれて来た。

大倉先輩は、
自分が頼みますって言ってたけど、
上手くかわされてた。

気を使うだろうからって、
先回りして動く感じ、

相当デキる人だな…