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紫耀〇〇駅に 1時
それだけしか送られてこなかったメール。
しかも今日。今日だよ?
普通さ、こういうのって
前もって連絡してるくでしょ。
しかも今は朝の10時だし。
紫耀くんらしくて笑ってしまった。
どの服着ようかな。
どんな髪型で行こうかな。
優太以外の男と出かけるなんて初めてで
やっぱり緊張してしまう。
しかもその相手があの………
「 Aちゃんっ! 」
『 ………こんにちは、紫耀くん 』
先に駅に着いていたらしく
私を見つけてトコトコ走ってくる。
『 …なんか、雰囲気違う? 』
「 え?そう? 」
前に優太と会ったときには
もっとガチャガチャしてたっていうか…
大人しめになった。
じーっと紫耀くんを見つめる私をみて
「 かっこええ? 」
……………うわーーー、上目遣いは反則だよ。
『 …うん 』
小さく頷く私をみた紫耀はへへって笑う。
バスでみたあの優しい笑顔に
なんでかときめいてしまう。
そして私に顔を近づけてきて耳元でこう言う。
「 Aちゃんもめっちゃ可愛いで 」
ドキドキ要素しかないよね。
どうしよう、絶対私の顔赤いよ。
「 たこ 」
『 …ん? 』
「 A、たこみたい 」
『 たこ?………あ、名前 』
さり気なーく呼び捨てする紫耀くん。
……………ドキドキする。
「 だってさ、AちゃんよりAのようが短くて呼びやすいやん? 」
どうしてこんな優しい笑顔を
私なんかに向けてくるのか。
さっきからこの紫耀くんの笑顔を見る度に
心がズキッと痛む。
………………優太への罪悪感?
「 …どしたん?A 」
私を呼び捨てするのは優太と家族だけだった。
ずっと隣には優太がいたのに
いま、私の隣には紫耀くんがいる。
好きな人がいるのに違う人と仲良く出かけて。
相手が紫耀くんで。
…優太は、どう思うかな。
『 ううん。どこに行くの? 』
「 秘密基地 」
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milk(プロフ) - 続きが気になります! がんばってください!応援してます。 (2017年5月28日 15時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫亜(しあ) | 作成日時:2017年5月13日 19時