親子はじめました

カレー職人 ページ24

「おい」

『なに？』

「まさか今日の飯…」

『見ての通り。カレーです』


私だってやれば出来るじゃん
私カレー作れたよお母さん。


「馬鹿なの？
1週間もカレー出てくる家がどこにあんだよ」

『文句あるなら食べなくていいよ。ね、グク』

「ぐくすきだよ かれー。おいしー」

『ジョングク愛してる』


カレーを頬張るグクに擦り寄る
なんていい子なの…


「お前その頭は飾りか？なんの為に料理本読んでんだ。
カレー職人にでもなるつもりかよ」

『料理ってすごい難しいんだよね』

「カレーしか作ったことないクセになに言ってんの？」


眉を寄せたユンギが椅子に項垂れる

馬鹿だな、カレーの応用編はシチューだから
シチューも作れるよ。



なんて。

カレーを作っただけで料理を支配した気になっていた私は
見事に現実に打ちのめされることになる。



『お、お弁当の日…？』

「はい。月に1度あるお弁当持参の日です。
みなさん手作りですけど、無理はしなくて大丈夫です。
買ったものだったらお弁当箱に詰め替えて来てくださいね」


私の絶望に染まった顔をみてか
気を使いまくったコメントをしてくれるジン先生…


『グク、帰りお弁当箱買って帰ろう』

「おべんとう？ぐくおべんとうもっていくの？」


いつものスーパーより少し大きいところに寄ろうと
普段とは違う道を歩く


『明後日ね。お弁当の日だって』

「やったぁ！あさってっていつ？あした？」

『あしたのそのつぎ。』

「そのつぎかぁ。たのしみだね！
ぐくうさぎのおべんとうがいい」


遠い目をした私をよそに
テンションが上がっているグク

スキップまで始めて飛び跳ねる


待って……
うさぎの弁当…ってなに…？





『ユンギ…』


消え入りそうな声でユンギを呼び止める


「おまえなんて顔してんだよ なに」

『明後日、お弁当の日だって…』

「なんだそれ」


思い出すだけで頭が痛くなる迷惑イベントを発表する


「無理だろ。
お前カレーしか作れねぇじゃん」


そうだよ……
私カレーしか作れない……

スキップするグクの姿を思い出して机に顔を伏せる。
もうこれ以上私にどうしろって言うの神様…


『楽しみだねってグクが…』

「うわ。だからあいつ風呂で
明日のその次がどうとか言ってたのか」

『うさぎの弁当がいいって…』

「いやレベル高すぎだろ」

『ねぇ…まず弁当ってどうやって作るの…』


机から顔が上げられない。

ドラえもん、一生のお願い。もこみち出して。

急募:もこみち→←多分盆と正月は終わらない

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