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もし離れるとしたら、いつなのだろう。
よく考えたら、一緒に塾に行っている割にはお互いの進路について話した事はなかった。
私が祐基の進路も、将来何がしたいかも知らないのと同じように祐基も私のそれらについては知らないだろう。
もし、お互いどこかしらに進学するとして。
2人とも地元に残るのなら、今まで通りの関係だろう。別の学校に通ったとしても、会う回数が減るだけだろうし。
ただ……
もし、どちらかが県外に行ってしまったら……
「……やめよ、」
変なこと考えるのはやめよう。
どんなことがあっても、
ずっと一緒だって昔からそう言ってきた。
『Aの隣は僕でしょ!!』
『僕達、大人になっても一緒だもんねーっ』
『Aの悲しい顔、隠したって分かるよ。何年一緒にいると思ってるの』
『僕達って、何でも言える仲じゃん??』
『僕達って、それでもずっと仲良しでいられるよね?』
それが、離れるなんて
────今更誰がそんなこと考えるの。
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作者名:くまねこ。 | 作成日時:2016年8月8日 22時