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その女は歩くのが早くて、距離が空いていたから近くまでオレは走った。
あの姿は絶対アイツだ。
場地がいない今、アイツの心の拠り所になるのはオレがいい……
もし他に男なんていたら、ぶっ飛ばしてやりたいとも思う
オレは、Aにとって 場地と同じ存在 になりたい。
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「あの!」
久しぶりに本気で走ったからか、息切れが激しい。
ハアハアと息を切らしていると女は立ち止まって オレを見た。
『……場地?』
久しぶりに聞いたAの声。
暗闇で見にくいけど、久しぶりに見るAの顔…
あまりの嬉しさで、手に持っていた袋を勢いよく落としてしまった
__ オレの、A。
「A?」
『えっ、と』
「覚えてる…よな?
オマエにとっちゃ、オレは復讐したいくらいの相手のはず。」
目の前に立つAはモゾモゾしながらも 何も言わない。
やっぱり、オレのこと憎んでるかな
まあ…普通ならそうだろうけど。
「オレのこと、死 ぬほど憎い?」
そう尋ねると、Aは静かに首を横に振る
次は「どうして?」と尋ねた。するとAはようやく口を開いて
『場地が…一虎は本当にいい奴だ、
でもアイツは自分を肯定する為に相手を敵だと思い込まなければならない。って言ってたから』
「……場地は死 んだよ」
『一虎に刺された後、自分でお腹刺したんでしょ?
…自 殺じゃん』
「違う、オレが殺 したも同然」
『一虎のせいじゃない、だから大丈___ 』
言い切る前に、オレはAを路地裏に連れ込み、壁に追い込んだ。
近くで見るAの顔は あの頃より大人びて、色気も出ていて……とても綺麗
更によく見ると、目からは涙が流れていてその姿さえも美しいと感じた
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作者名:ふらいどぽてと | 作成日時:2021年8月29日 19時