黒薔薇【羽宮】 (ページ2)

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千冬は今、ペットショップを経営しているらしい。

あの頃とは変わり髪は黒髪で自然にセットされており、よく笑っている

……過去に囚われているのはオレだけなのかな

「で、どーしますか？手伝ってくれます？」

「お、おう。手伝いって何すればいい？」

「んー…ショップにいる動物の世話とかっスかね」

「給料出る？」

「いきなりがめつい…まあ普通に出しますよ」

とりあえず、この流れでオレは千冬の店の手伝いをすることになった。

別に動物が嫌いなわけでもないし給料も出るし。なにより一応知り合いと呼べる人と働くというのは気が楽だ

…これを機にアイツのことを聞いてもいいだろうか

「千冬」

「ん、なんですか？謝罪ならもう聞かないっスよ」

「いや、Aのことなんだけど」

「………はい」

「元気にしてる？」

「…」

返事はなかった。

何か難しそうな顔をして、前を見つめている

「変に探し出してちょっかい出そうとかは思ってねぇから。」

そう一言告げてはみたものの、返事がない

しばらく沈黙が続き、赤信号で車が止まった時にようやく口を開いた。

「アイツ、あの日以来急に消えたんです。」

「…………は？」

「死んだ、とか確定してるわけじゃないんですよ？」と言葉を続ける千冬。

「俺らに何も言わず、親戚の家に引っ越したのかもしれないし、本当のことはAの身内しかわかりません。」

「でも…その人たちは何も言わなくて。Aの母親父親もそのままどっかに引っ越したらしいっス。」

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