隠し事＊黒霧 ページ24
私が12歳の小さい少女を拾ってきてから数週間が経った。
いくら捨て子とはいえヴィラン連合にそんな小さな子供を連れてくるなんておかしいとは思うが、何故か見捨てられなかった。
ボロボロな格好をして、死んだ目をした少女を連れてきた私を見て、子供嫌いの死柄木がただ「珍しいな」とだけ言ってふっと笑ったのを昨日の事のように鮮明に思い出せる。
『ねぇ黒霧さん、買ってきたよ。』
ガチャりとドアが開く音と共に、まだ幼く、高い声が聞こえてきて、そちらの方を向けば大きめのビニール袋を持った少女が、歩を進めてくる。
ここに来てから時間が少し経って、慣れてきたようなので、買い出しを頼んだのだ。
「ありがとうございます。そこに置いておいてください。」
『うん。』
彼女は静かに頷くと、私が指を指した所に荷物を置く。
「何か飲みますか？」
『いいの？』
「ええ、いつもこうして手伝って頂いてますし、あなたも連合の一員なのですから気を使わないでください。」
『じゃあ私オレンジジュース飲みたい。』
「分かりました。」
彼女のリクエストにお答えして、大きめの冷蔵庫からオレンジジュースを取り出すと、それをコップへと注いでいく。
コト、と音をたててそれを差し出せば、小さな声でいただきますと言ってコップに口をつけた。
小さい体にはコップが少しばかり大きかったのか、両手でコップを持ってごくごくと一気に飲んでいく。
喉が乾いていたのだろうか。
死柄木だったら遠慮せずに、というかわがままに自分の飲みたい物を要求してきたのに、この子は自分の欲求を年相応らしくもなく押し隠してきたのだ。
『おいしい。』
いつの間にかオレンジジュースをコップの半分ほど飲み干した彼女が12歳の少女らしく顔を綻ばせて言った。
それを見て、あぁ、甘やかしてやりたいなと思ったのと同時に、どきりと心臓が跳ねたのは口に出してはまずいので心の中に隠しておくこととする。
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ユリ(プロフ) - 雫さん» そう言っていただけて嬉しいです！更新遅くなって本当に申し訳ないです…… (2020年5月11日 1時) (
レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 黒霧さん最高…いぇーい＼(^o^)／ (2020年5月8日 16時) (レス) id: f53115cc0c (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 鳳蝶さん» うわぁぁありがとうございます！！私もホークス好きなので書いてて楽しかったです！！ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
鳳蝶 - これよ。これですよ。わたしが待ち望んでいたものは。やっぱりユリさんは凄いですね！！書いていただきありがとうございます！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 021b07b710 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 座布団さん» リクエストありがとうございます！書かせて頂きます((o(*>ω<*)o)) (2020年3月24日 0時) (レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ | 作成日時：2020年3月5日 19時
