1 プロローグ ページ2
「A…早うお逃げ」
『母様!!うちはどうするん!?』
「きっとアンタなら幸せになれるさ」
そう言われて掌に乗せられた勾玉の首飾り
母様はうちに微笑んだ後、最期の後姿を見せて逝ってしまった…
そして母様は人間に祀られ、うちはその母様の神社がある山でひっそりと息を潜めた。
力が付けば人を騙したり、勉学を学ぶ事もあった。
そして世の中は留まる事を知らず
気が付けば平成と言う年号に変わっていた。
そんなある日、うちは拾ってもろうた母様の神社の神主にある事を勧められた。
『独り立ち?』
「あぁ、こんな所に住み続けるのは生きづらいだろう」
もう私は長くはないと笑いながら続けた。
確かにうちには友達も血の繋がった家族すらも誰1人といない。
そして唯一の家族である主人ですら、もう歳を迎えている。
「寂しくなったらまた来ると良い」
『本当に良いの?』
うちは不安そうに主人に言った。
「何、心配する事は無い。
世界は生と死で成り立っているのだから」
主人はよくひねくれた事を言う。
でも結局は正論なのだ。
だとすれば主人が独り立ちを勧めたのは正論なのかもしれない
『うち、やってみる』
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作者名:月夜見 | 作成日時:2016年5月29日 18時