【小説】百花繚乱妖ノ宴【募集企画】 (ページ17)

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1日目（1/14）　回収後の悪夢　【犬崎　恋】ページ17

『ふぁー、急に眠く・・・』

｢さき！貴方まで寝ちゃダメじゃない！｣

『あ！そうだった！犬の首･･･犬の首･･･あった！』

｢回収できた。それじゃあかe(「何してるのですか？」貴方何故起きていられるの！｣

犬の首を抱えて帰ろうとした途端
何者かが発言を遮った

「それは何故でしょうね？」

俺は身を引いた

月は、いつの間にか隠れてしまい当分は出てこないだろう

「しっかし…随分と弱い術ですねぇ？低級付き物の術何て私には効かない。」

「何ですって！？」

彼奴はほぼ初対面のすずを挑発し煽っていく

「しかもその犬神、役に立ちそうも無いじゃん。さっきだってあんたの術にハマってたし…。それにあの首、アンタが出したんでしょ？馬鹿だね」

『(ﾋﾞｸｯ』

自分でも肩が跳ねたのは分かる
俺はどうしようもないビビりだ

「…さきは馬鹿じゃないわ」

「あーら？そうかね？なら阿呆だ。男が女に庇われるなんて情けないしねぇ？。」

そう罵られた
つい恐怖でさきの後ろに隠れてしまう

「ま、私もただの通りすがりな訳だし？あまり口出しもしないけどね」

「…貴方、人間よね？貴方と話す義理何て無いわ。去りなさい。」

その瞬間、彼奴は急に笑い出した

「何が、可笑しいの？」

「何が可笑しいの？そりゃああんた、私の事を“人間”って言ったことにだよ！あぁおかしいの！」

そう言い終わると姿を消した
匂い、感じ、気配すらも感じない

そして、姿を現したかと思うと
俺は突き飛ばされた

俺からの視界にはいるのは彼奴がすずに何かを
突き立てていること

ツーっとさきの首から血が伝う

「…人間なんざ虫ケラ以下だよ。そんな虫ケラと一緒にしないでくれる？……胸糞悪い」

さっきまでとは比べ物にならないくらいのトーンが
周りを凍らせる

彼奴は手を引っ込めると、すずの腕を掴んだ。

彼奴は後ろに下る。聞こえるのはタンっという着地音

「…ッ貴方、私に何をしたのっ！」

苦しみに悶えながらも声を振り絞るすず

「呪い。まぁ、低級付き物には解けるはずないけどね？あんたがどれだけすごい薬を作れたとしても……古代の“悪魔”の呪いは解けないだろう？」

そう残すと、彼奴はその場を去った
残されたのは呪いを植え付けられたすずとなにもできずに唯々唖然とする俺

『すず、大丈夫！？』

「大丈夫よ」

あの時ああすれば良かったとかこうすれば良かったとか
思いつくのは後になってからだ

そんな事を忘れさせられたのはすずの笑い声だった