【小説】百花繚乱 妖ノ宴 【募集企画】

1日目（1/15）　呪いと正体　【鈴鳴 桜羅】 ページ18

さっきの気配は霧風の気に似ている。
霧風の兄弟か誰かか？


｢すず、大丈夫！？｣
「大丈夫よ」

そう言って、腕を見ていた。
呪いは印の所にもかかっていた。
あぁ、あの子も哀れ。

｢ああ、可笑しい。｣
｢呪いかけられたのに何笑ってんの！｣
｢さきには話してたよね？ほら、これ。｣
｢印に呪いがかかっている････！まさか！｣
｢気付いた？だから可笑しいの。｣

この印に術が触れると、呪いが2倍の威力で帰ってくる。これは強い相手にも解くことは出来ない私以外ね。
でも･･･

｢うっ･･･｣

かかっていた呪いが消える事はない。
この呪いは霧風の兄弟に解いてもらわないとだし。
まぁ、解くことは出来ないけど弱める事は。

｢恋、この呪いを弱めてくれない？｣
｢俺が？無理だよ。威力はあったとしても、技術がないよ。失敗したら･･･｣
｢失敗してもいいから。｣
｢･･･やってみる。｣

大丈夫だよ。
出来ないって限界を決めるのは止めよう？
だって、恋は出来るんだから。

着物の姿に変わった、犬崎は解呪を唱え始めた。呪いのかかった所が鈍く光り、呪いの跡が7割ほど無くなっていた。

｢出てきた？｣
｢できたよ(｢できた、出てきたよ！｣おっと、だからいきなり抱きついて来ないで。｣

次は私の番か。
人間の姿になった私は弱い。けど、狐の姿になった私は･･･わっちを見くびると痛い目に会うから覚悟しておれよ？
弱めるか何かをしておろうが、そう簡単に痛みは取れんぞ。
まだ身体中が痛むがの。

まあ、よい。明日になればすぐ分かるのぉ。

月はいつの間にか出てきていた。
明日はどうなるのでしょうかね？

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