バイトちゃん．〈S.S〉 (ページ9)

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一服１ページ9

あれからスーパーで買った惣菜を食べて

荷解きの続きをして

シャワー浴びたらなんとまあテッペン通り越すどころか一回りして25:24

『もうこんな時間か』

作業に集中してたせいか急に煙草が吸いたくなり外に出る。

道端に座り込み箱を取り出す。赤マルと呼ばれるmarlboroの赤箱。

1本取り出し火をつける。

『はぁ、疲れた。』

周りを見渡すと街頭がポツンと光ってて、誰も居ない。田舎ってすげぇな～

なんて思ってたら、スマホのライトを照らして歩く人が1人。

通知か何かで画面が光って見えたその顔は

スーパーのバイトちゃん。

Aちゃん、って呼ばれてたっけな。

その子のスマホを持つ反対側の手に赤い光。

「こんばんは」

と俺をみつけ挨拶をする彼女

『あれ、もしかしてスーパーの？』

そう声をかけると怪しげにこっちを見て

俺だと分かれば

「あ！イケメンさん！あ、」

言ってしまったと言わんばかりにスマホで顔を隠す

『イケメンさんて(笑)』

「お恥ずかしい…、こんな時間に何してるんですか？」

と俺の横に来てちょこんと座った彼女。

それと同時に地面に擦り付けられる赤い光

『一服しようと思ってね。君こそこんな時間になにしてんの』

「さっきバイト終わったんですよ～」

『……？え？21:00閉店だよね。てか何歳？』

「あ、スーパーは21:00で、そのあとの居酒屋が24:00なんですよ。なんですけどお客さんがなかなか帰らなくてこの時間ですね、疲れましたはい」

なんて絶望的な表情する彼女につい笑ってしまった。

「あ、それと19です。」

19でバイトかけ持ちして帰りがこの時間…

『ん？…煙草吸ってる？』

「あ、バレちゃいました？」

辞めたいんですけどねーなんて笑いながら言う彼女は誰がなんて言おうが未成年。

んま俺も20になる前から吸ってたからなんにも言えねぇんだけど

『んーいいと思うよ。19も20も変わんないでしょ。てか掛け持ちしてんの。偉いね』

「いやいや、うちが貧乏なもんで。お小遣いとか貰えないし遊ぶ分は自分で稼ぎたいし、親が困った時は助けたいし。掛け持ちしててもどこのバイト先も楽しいですし、嫌だとは思いませんよ」

『うわあ、見習わねぇとなー』

なんて頭抱えてたら隣で色違いの箱を出す君。

「1本いいですか？」

とマルメンと呼ばれるmarlboroのメンソールを見せた。