無 口 柱 の 狂 人 さ ん【鬼滅の刃】

ごーどーにんむ ページ6

伊黒side



日が暮れ、あいつの屋敷の前に行くと



しゃがみこんでいたあいつがいた





伊黒「おい」



『あ、おばない』




伊黒「行くぞ、方向はどっちだ？」




『せーなんせー』




伊黒「わかった、早く立て」




『ん』




そう言い、のそのそ立つこいつにイライラする



西南西に向かい、全速力で走る





なのに、こいつは余裕な顔で着いてきた





伊黒「おい、さっき何をしていたんだ」




『ありと遊んでた』




伊黒「気色の悪い」





『ありさん、友達』





伊黒「友達？」





『うん。友達。おばないも友達』





伊黒「…そうか」







俺は鬼が頻繁に出るという山に入り




神経を研ぎ澄ましていた








『あ、いる』





伊黒「は？」





『鬼、鬼がいる…鬼だ』





俺は周りをキョロキョロ見渡すが鬼の気配すらしない






『鬼だぁ、鬼だぁ！』





そう叫ぶとあいつは刀を逆手に持ち




走っていった






伊黒「お、おい！！待て！」









追いつけなかった






あいつは一体何者だ








･









伊黒「っ、はぁはぁ…」




どこにもいない。何処へ行った





そう思っていると耳に誰かの笑い声が聞こえた







･







『キャハハハ！！ねぇ！ねぇ！今、どんな気持ち！？



　ねぇねぇねぇ！！！教えてよ！！』






伊黒「っ？！」









あいつは鬼に馬乗りになり




鬼の顔面に刀を刺して笑っていた





鬼は四肢を切り離されていた






鬼「おめぇ！狂ってやがるっ！！」






『狂って…る？……私が？



　ねぇ、どこが？



　どこが狂ってるの？ねぇねぇねぇ！！！！！』







止めなければいけないと




俺の脳みそが警告していた







伊黒「っ、おい！！！」





『ねぇー教えてよ！！！』





伊黒「っ、A！！！」






『？……おばない？


　どうしたの？



　あ、みて、これ。おもしろいでしょ？』






そう光の無い目で鬼を指さす





『ねぇ、君。おもしろくない


　だからころす。つまらないから。』







”狂の呼吸 壱の型 狂鳴(くるいなき)”








鬼の頸は飛ばされ




遠くでその頸が破滅した




俺の頬にまでその血飛沫が飛んできた






伊黒「っ、」




『おばない。たのしかったよ



　もう鬼いない。ぜんぶころした』




伊黒「は？」







･








『鬼は、わたしのおもちゃなんだ。



　かわいいでしょ、おもしろいでしょ？』

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